タレガ編<アラールの華麗なる練習曲>



きのう何気なくネットを見ていたら、5月8日は19世紀フランスのヴァイオリニスト:ジャン=デルファン・アラール(1815-1888)の誕生日と出ていた。サラサーテの師匠にして演奏・出版・指導の各方面で高い評価を得ていたとのこと。アラールといってもヴァイオリン学習者以外には馴染みは少ないだろうが、実はギター愛好家には例外的によく知られた存在だ。


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20世紀モダンギターの源流となったフランシスコ・タレガ(1852-1909)がこのアラール作の練習曲の一つを<アラールの華麗なる練習曲>と称してギターに移し、それをセゴヴィアが演奏して大そう広まった。ぼくがアラールの名とこの曲を知ったは高校時代。セゴヴィアのレコードと、古本で手に入れた音楽之友社「世界大音楽全集<ギター名曲集>」の楽譜で親しんだ。

原調のイ長調はギターにもっとも適した調の一つだ。主三和音の基音A・D・Eすべてが、ギターでもっとも力強い音が出せる3本の低音開放弦に当たることがその一つの理由だ。この曲をギターに移すにあたってタレガは、各小節1拍目に低音追加するに程度の編曲に留めている。原曲のアルペジオ風音形がギターにはうってつけで効果的に響き、題名の通り<華麗なる>印象を与える。低音を付加せず、ヴァイオリン用の楽譜をそのままギターで弾いても、ほとんど印象は変らないだろう。

ヴァイオリンでは中々の難曲かもしれないが、ギターでは左手ポジション固定のまま分散和音として弾ける箇所が多い。難しいのは、分散和音のアルペジオにのせて高音のメロディーをレガートなフレージングで歌うことだろう。多くのアマチュアの演奏がアルペジオに意識が集中し、メロディーがボケてしまい、また4分の2拍子のリズムが感じられない演奏が多い。4小節単位のフレージングと4分2拍子の拍節感がこの曲のポイントだろう。そうしないと<華麗なる>感じは出てこない。よく6、7小節目に見られる低音Dの維持が指摘されるが、2ポジションセーハ維持の練習としては意義があるだろうが、この1点に固執してこの曲の演奏を評する必然性はないだろう。 …と言いながら、さきほど久々に弾いてみたら、ボロボロでありました。


ジェニファー・キムというギタリスト。この動画当時13歳@2012年。同年にパークニング国際コンクールのジュニア部門で入賞しているようだ。



タレガ作・編の練習曲。現代の名手デイヴィッド・ラッセルによる演奏。アラールの曲は一番最後20分57秒から。他の曲もクラシカルな名曲等を素材にしてギター技法を生かしている。



この曲の楽譜
http://burrito.whatbox.ca:15263/imglnks/usimg/0/0f/IMSLP165685-SIBLEY1802.15148.e552-39087023636386score.pdf

ヴァイオリン用オリジナル楽譜。この練習曲集の第2曲目。
http://petrucci.mus.auth.gr/imglnks/usimg/f/f6/IMSLP354892-PMLP251731-Al_et_19.pdf



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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