HP-A7



今年始めにプチ大人買いしたヘッドホン、ゼンハイザーシュアがようやく本格稼動に至った。本格稼動などと少々大仰だが、物色していたヘッドフォンアンプを調達し、まともに聴けるようになったという次第。現用のアンプ、ラックスマンL-570にはヘッドフォン出力がなく、一時は改造か、スピーカ出力にドロップ抵抗を入れたアダプターを付けようか、手持ちの球で久々に自作しようか、とアレコレ思案していたのだが、結局出来合いのものを買うという安直な選択となった。


DSCN3682 (480x480)  HP-A7.jpg


手に入れたのはフォステクス社HP-A7。入力はデジタル4系統(USB1、同軸1、光2)、アナログ1系統。デジタル系統の対応周波数は、同軸192KHz、他96KHzまで。出力はヘッドフォン標準プラグ2系統とRCA1系統。RCA出力は固定と可変を選べる。また2系統のヘッドフォン出力はゲイン設定が異なっている。デジタル出力も光1系統(S/PIF)がついている。2010年の発売から数年が経っていて、すでに主力機種としては次のモデルHP-A8にバトンタッチしている。スペックとしては現時点では平凡だし、最近流行りのDSD再生にも非対応。総じてデジタル系統の充実を図りながらも、アナログ系統も十分配慮されている印象。当初アナログ入力専用のものを探したが適当なものがなく、また音の評価についてネットでは随分とネガティブなコメントも散見されたが、中身を見る限り丁寧に作られ、パーツも程々に厳選されている様子だったので手を打つことにした。

手元においてじっくり聴いてみた限り、音質についての文句はない。比較対象もないのでそれ以上のコメントもないが、手持ちのゼンハイザーHP800やソニーCD900は十分ドライブ可能。音の傾向としては、よくポータブルヘッドフォンアンプで見受けられるような低音での作為感がなく、きわめて引き締まった低音を繰り出す。少々量感が少ないかなあと感じる程だが、分解能はすこぶる良好で、タンノイ:スターリングのややボケた低音に比べる対照的。これが本来ソースに入っていたバランスなのかと合点している。中高域も同様で分解能はいい。最近手に入れたセルのCDを何枚か聴いて、セルのうなり声や弦楽群の微妙なアインザッツが聴こえてくる。

レコードとCDの再生はアンプL-570のRECOUTから本機のアナログ入力に接続し、PCからは本機USB入力に接続という、ごく基本的なセットアップ。CDプレイヤーとのデジタル接続は未確認。そうでなくてもオーディオセットの裏側は配線ジャングルと化しているし、CDプレイヤーとはアナログ接続でも特段の不満はないので、当面この状態でいくつもりだ。


フォステクス担当者によるHP-A7の紹介。コメントの内容はぼくが実際に聴いてみた印象と同じだ。



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No title

こんにちは。

花壇の花ばなが、いまや我等と出番を待ってる初夏のような陽気です。

正直な本音ですが手頃なヘッドフォンとアンプの組み合わせが決まれば、自然なしっかりした厚みあるバランス、遠近定位置、ダイナミックスに追従する情報量、音楽の流れを最後まで聴ける…デリカシーと圧倒的なスケ-ル!

以上はスピーカーの環境ではまず不可能でした。

最近JJの300B出力outプットにアダプタ-を作ってもらい視聴しましたが、やや古い音でハイあがりで賑やかでした…


自分の15年ばかりアルテックらを鳴らしてた本来はヘッドフォン用のEL84シングルアンプの方がややダ-クで弦楽器の倍音が落ち着き密度もありしっとり響きます。


良いヘッドフォンアンプ見つかり良かったですね。素晴らしいゼンハイザ-楽しんで下さい!

Re: No title

マイスターフォークさん、こんばんは。毎度どうも。
おっしゃる通りで、ヘッドフォンのクオリティにおよそどんなスピーカもかなわないでしょう。音質を決める要素の内、影響度の大きいルームアコースティックを無視できるわけですから、それだけで絶大なメリットがありますね。今回手に入れたヘッドフォンアンプは現在のところタイト過ぎるくらいタイトな音で、ロイヤルシートでリラックスして芳醇な雰囲気を味わう…という音の対極です。複雑な管弦楽の細部にまで聞き耳を立てるにはベストですけどね(^^; マイスターフォークさんご愛用の城下工業のヘッドフォンもいずれ試してみようと思っています。

戦士達!

城下工業の戦士達は 長野県のバスケットチ-ムの愛称ですね。
私は15年くらい前に本来ヘッドフォンアンプでSPにも十分通用する真空管アンプを近所の制作家に誂えました。


能率の高いA7*620*シ-メンス同軸、タンノイ等を鳴らしてきましたが今はヘッドフォンに専用化してます。


ヘッドフォンはAKB、ソニ-、城下を使ってますが城下は軽くて道具としてもタフです。

音はスピーカーをこんな感じで鳴ればとの感じです。


レンジはいろんな同軸やクラシックスピーカーを聴いてきた私には充分ですしqualityではスタックスやゼンハイザ-のアッパ-モデルの方ですが戦士達は響きが耳に馴染み心地良いです。


アンプは殆どトラブルなくたまにパソコンショップで求めた少量高めなナノカ-ボンで全ての接点をケアしてるだけですよ、自分は赤坂のロイヤルシ-トよりステージの上の方が長く囲まれる中で音を拾うのに慣れてます♪

Re: 戦士達!

マイスターフォークさん、諸々情報ありがとうございます。
ヘッドフォンアンプを兼ねた小出力の球アンプで高能率の大型スピーカを鳴らすのは、一つの理想ですね。私も能率が96dBある2S-305を使っていた頃は、6BM8シングル1Wで鳴らすこともありました。最近、手放した305をもう一度手元に置こうかなあと、ふと思ったりしています。危険ですね…(^^;

ダイヤ ト-ン

こんにちは〉〉高校生の頃にjazz喫茶店に行きはじめた頃ですが2S-305を鳴らしてる店があり、ほとんど高級品なんか聴く機会もない時代ではダイヤは至上の音でした。


遠い記憶ですがハッキリした明確な音でしたがその後ショップ聴いたときは自然なレンジの中にもしっかり情報が詰まってる音でした。


家にはダイヤのスリーウェイもありますが今は聴いてません。


Re: ダイヤ ト-ン

70年代半の学生時代、恩師宅で2S-305を初めて聴いたときの衝撃は今も忘れられません。以来常にその音が理想にあって20年ほど前にようやくオーナーになりました。いろいろなスピーカとも聴き比べましたが、やはり305はダントツでした。思うところあって2年前に手放しましたが、今もって後ろ髪を引かれていて(^^;、もしかするとそのうち買い戻すことになるのではと自問自答しています。困ったものです(^^;
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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