癒しのピアノ曲集



天気図を見ると、途切れ途切れながらも梅雨前線が日本列島の南に見え隠れするようになってきた。きょうの関東地方は陽射しこそ少なかったが湿度高く蒸し暑い一日。五月も今週いっぱいで終わる。六月になるとそろそろ梅雨入りだ。
さて今週も後半を過ぎ、あすは金曜日。週明けにコンサートに行ったこともあって、今週はそれ以外音楽を聴いていなかったが、今夜は四日ぶりのアンプの灯を入れた。さて何を聴こうかと思案。ムッとする梅雨入り前の夜に相応しいかと、こんな盤を取り出した。


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写真の4枚。左上から時計回りに…
 グリーグ/抒情小品集
 ブルーベック/夜想曲集
 タンスマン/ピアノ作品集
 レスピーギ/ピアノ作品集

ブログタイトルに<癒しのピアノ曲集>などど、恥ずかしくなるようなタイトルを付けてしまったのだが、いずれの盤も分かりやすく言えばそんな曲集だ。ぼくの個人的な嗜好で<癒し>という言葉は極力使いたくないのだが、きょうばかりは仕方なく。まあ、和みの…、ロマンティックな…、心静まる…でも何でもいい。夜のしじまに一人心穏やかに聴く音楽だ。取り出した4枚のアルバムはいずれも過去にそれぞれ記事に書いている。きょうはそれをまとめてドンという次第。

◆まずグリーグの抒情小曲集。
弾いているのはロシア出身で現在京都在住のイリーナ・メジューエワ(1975-)。グリーグの抒情小曲集は全部で66曲からなっていて、この盤ではそのうち20曲が選ばれている。グリーグはこの抒情小曲集を管弦楽にも編曲していて、こちらもよく演奏される。どの曲も長くても数分の、まさに小曲集だ。ほとんどの曲にタイトルが付けられている。「妖精の踊り」「子守唄」「夜想曲」「郷愁」…といった具合だ。そしてのそのタイトルからイメージする光景が、ピアノの多彩な表現を通して浮かんでくる。メジューエワの演奏は、弱音を主体にして、ガラス細工のような小品の一つ一つをいとおしむかのように丁寧に弾いている。録音は2000年3月、音響が優れていることからしばしば録音セッションにも使われる当地群馬県みどり市の笠懸野文化ホールで行われている。

メランコリーな<郷愁>作品57-6


<あなたのおそばに>作品68-3


◆次いでブルーベックの夜想曲集。
もっぱら5拍子のジャズ名曲テイク・ファイヴの作曲者としてその名が知られているが、実際は中々多彩な活動をし、クラシックの素養ももちろんあった人。フランスのミヨーに師事していたこともあるそうだから本格的だ。このナクソス盤にはクラシカルなスタイルで夜想曲として作られた小品が25曲収められている。ジョン・サーモンというピアニストが弾き、2005年に録音されている。いずれも1、2分、長くても5分とかからない規模の曲。「子供たちと粋な大人たちのために」書かれた作品だそうだ。ときにやさしく、ときにノスタルジックに、ときにジャジーに、様々な表情を持った小品群が、夜想曲というコンセプトのもとに、静寂と安息のイメージをもって続く。アメリカのサティーとも言われたそうだが、さもありなんという曲調。

5曲が弾かれている。



◆次はタンスマンのピアノ曲集。
ポーランド生まれのアレクサンドル・タンスマンによるピアノ作品集。エリアンヌ・レイエというベルギー生まれのピアニストによる演奏。2013年録音。 タンスマンはクラシックの作曲家の中ではギター弾きに馴染みの深い作曲家だろう。ぼくも学生時代には<ポーランド風組曲>や、音友社セゴヴィアアルバムにあった<ダンスポンポーザ>など弾いて楽しんだ。ポーランドの民族的要素と、新古典主義的手法とが程よくミックスされていて、親しみやすくも新鮮な響きがあって好きだった。この盤ではタンスマンの持ついくつかの典型的な作風が示されている。ネオ・バロック調の「古風な様式による舞踏組曲」や、新古典主義風ながらロマン派の色濃い「5つの印象」、一筆書きの趣きの即興的な「アラベスク」、悲痛な心情告白にも似た「バラード」、8つの歌はバッハへのオマージュとして書かれている。

タンスマンのピアノ曲がいくつかまとまってアップされている。



◆最後にレスピーギのピアノ作品集。
一般のクラシックファンにとってレスピーギと言えば、管弦楽曲のローマ三部作、それと弦楽合奏のための『リュートのための古風な舞曲とアリア』あたりが思い浮かぶ。また他の近代ラテン系作曲家と同様、彼もフランス印象派の影響を受けた作風を示し、この盤に収められているいくつかの小品などはその成果だろう。6つの小品も粒揃いの美しさと多彩な表現。ワルツは可憐だし、夜想曲は深刻にならない程度に心を沈静させてくれる。どの曲もローマ三部作の色彩的な管弦楽曲からは想像しにくい曲想だ。美しくが甘すぎず、ときに渋さもただよう。これからの季節、夏の夜半に聴くもよし、

6つの小品から「優しいワルツ」。仏印象派の影響を受けた作風。サティーを思わせるサロン風小品だ。


6つの小品から<カノン>


昨今、自称音楽好きの中にも、カフェで流れるようなジャジーな曲やボサノバ調アレンジの曲などを「オシャレ~!」と言ってはばからない向きも多いが、あまりに子供っぽく、気恥ずかしい。ラヴェルやドビュッシーの弦四など流れていたら、心からオシャレだなあと思うのだが…。まあ、そこまでコアにならずとも、近代クラシック作曲家の裏芸とも思われるこうしたアルバムから、ナイトキャップ代わりに数曲聴いて一日を終わるのは、粋な大人のたしなみとして、中々上等ではないだろうかと思うのだ。


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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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