ソニー・ロリンズ<橋>



五月最後の週末土曜日。朝から快晴。気温がグングン上がる中、埼玉県川越市まで2時間ほど車を走らせ、縁結びで有名な川越氷川神社へ。<わたしの神棚・展>なる催しがきょうまでの日程で開かれていた。現代を代表する建築家、工芸作家、グラフィックデザイナーなど、十一人が生活の中で使う<神棚>を提案するもの。出展者は以下の通り。
赤木明登(塗師)、大治将典(手工業デザイナー)、川合優(木工家)、熊田剛祐(東屋)、小泉誠(家具デザイナー)、竹俣勇壱(金工作家)、辻和美(ガラス作家)、中村好文(建築家)、西浦裕太(木彫刻家)、堀道広(漫画家)、山口信博(グラフィックデザイナー)


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日頃神も仏もなく気忙しく俗な生活を送っているが、ときにかつての典型的日本の家庭のごとく、朝に神棚を拝み、清々とした気持ちで日常に向かう習慣もいいものだと思う。規模からすればささやかな展示会ではあったが、現代人の生活空間と心模様を映すような作品に感心。こんな現代風の素朴な神棚なら近くに置いてみてもいいかなと思った。


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さて帰宅後一服し、陽も落ちかけた時刻になってトワイライト音盤タイム。ちょっと久しぶりにジャズを。 取り出したのはソニー・ロリンズ(1930-)の名作<橋>。1962年NY録音。ソニー・ロリンズ(ts)、ジム・ホール(gr)、ボブ・クランショウ(b)、ベン・ライリー(ds)、H・T・ソーンダース(ds)/#5。手持ちの盤は80年代初頭にミッドプライスで再発された国内盤。90年代半ばに御茶ノ水の中古レコード店で手に入れた。50年代半ばまで活躍し、その後活動が不安定になり一線から姿を消していたソニー・ロリンズが復活を遂げた盤として有名な一枚だ。復活に際してロリンズは、ニューヨークのイースト川に架かっている吊り橋<ウィリアムズバーグ橋>の上で人知れず練習を重ねたという。収録された自作<橋>およびアルバム・タイトルは、このことによる。収録曲は以下の通り。

side1 ウィザウト・ア・ソング/ホエア・アー・ユー/ジョン・S
side2 橋/ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド/ユー・ドゥ・サムシング・トゥ・ミー

当時すでにコルトレーンやオーネット・コールマンなどの新しいジャズの潮流がメインになりつつあったが、このアルバムは全編きわめてオーソドクスなジャズイディオムで通されている。ピアノではなくギターによるバッキングは柔らかなトーンを生み出し、ソニー・ロリンズの太く滑らかに歌うサックスとよく合う。当時のステレオ録音によくあった左右完全分離の楽器配置で、ソニー・ロリンズのサックスはもっぱら右チャンネルから、リズムセクションは左チャンネルから聴こえてくる。ボブ・クランショウ奏するベースがたっぷりと響き、ピアノレスながらエネルギー感の不足はなく、全体のバランスや帯域感も良好だ。

タイトルチューンの<橋>はリズムが複雑に交錯する中、高速スケールが続き、難易度の高さをうかがわせるが、ソニー・ロリンズの吹きぶりは終始落ち着きと柔軟さを失わない。ビリー・ホリデイ作のバラード<ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド>では、まさに人の息づかいのようなトーンで、神棚無くしても心の底のもやもやが静まってくる。このアルバム以降、現在も活躍するソニー・ロリンズの復活を記念するこのアルバム。当時30代になったばかりの彼のジャケットポートレートも聴こえてくる音楽同様に、どこか静けさと確信を感じさせる。


この盤の全曲。



<橋>。このアルバム発売当時のものだろうか。ソニー・ロリンズはアルバムジャケットと同じ柄の上着を着ている。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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