セルの<ドヴォ8>



関東地方もきのう梅雨入り。きょうは朝から雨。幸いそれほど激しい降りでもなく、かつゴアテックスの強力プロテクトで難なく出勤。しかし、きょう予定していた仕事を夕方までにフィニッシュ出来ず、いささか後味悪かったが、延長戦の気力も失せてほぼ定時に退勤となった。 さて、先回先々回の記事、ご近所散歩もギターの下手くそ演奏も評価芳しくなく、拍手もバナークリックも低調。反省して地味に音盤日記に戻ろうか…そんなことを考つつ音盤棚を物色。まだ仮置きポジションに停滞中のセルの新規調達品から、この盤を取り出した。


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ドヴォルザークの交響曲第8番ト長調。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管による1958年の録音。2枚組のセットで、この8番の他、7番と9番<新世界から>、スメタナの<モルダウ>と歌劇「売られた花嫁」から4曲が収録されている。
セルのドヴォ8を言えば、名盤の誉れ高い晩年1970年4月録音のEMI盤が真っ先に思いつく。ぼくも長らくEMI盤を愛聴していたが、機会があればこの1958年盤を聴いてみたい思っていて、遅ればせながらこの度ようやくかなったという次第。

練習の厳しさで知られたセルだが、ことドヴォルザークに関しては練習が短く終わったそうだ。セルの母親がボヘミア人で、その血を受け継ぎ、理屈ではなく血で演奏するからとの由。即興的なルバートも一番多かったそうだ。クリーヴランドの団員もセルのドヴォルザークを楽しみにしていたと聞く。実は名盤のEMI録音に比べ聴き劣りするのではないかと案じつつプレイボタンを押したのだが、冒頭の主題が出るなり、そんな危惧は一瞬にして吹き飛んだ。

まったく素晴らしい演奏だ。EMI盤に比べると各楽章ともほんの数秒だけ速いテンポだが、聴感上は決して急ぐ気配はない。他のセルの演奏から想定するテンポよりはずっとゆっくりだ。どんなフレーズも丁寧かつ、いと惜しむかのように切々と歌う。相変わらず各パートの分離が明瞭で、耳につく旋律だけでなく、第2ヴァイオリンやヴィオラにこんなモチーフが隠されていたのかと驚く。木管やホルンもいつもながら惚れ惚れする上手さだ。

たまたまCDプレイヤー2台を切り替えて聴くことが出来るので、EMI盤とこの盤をスイッチで切り替えて比べてみると、その音色の違いの大きさに驚く。このソニークラシカル盤(CBS盤)はすべての音が際立って明瞭で、奏者の弓使いや息づかいまで分かるほどリアルな音。一方EMI盤はよく言えば各パートの音がブレンドされ、ホールやや後方の席でゆったり聴く感じだ。一枚ベールがかかった音といってもいい。どちらがこのコンビらしいか、あるいはどちらが魅力的かと問われたら、今ならこのソニークラシカル盤と答えるだろう。そして、それほどリアルな音像を耳元で展開しながら、およそ雑なところがない。各楽章ともこの曲に相応しい美しい歌いっぷりだが、終楽章のコーダなど、ここぞというときの爆発的なエネルギーと疾走感も圧倒的に素晴らしい。現在セルのCDはまとめて手に入る状況だが、中でもこのドヴォルザークの後期交響曲3曲とスメタナが聴ける2枚組みは、セル好きならずとも一聴の価値大の演奏だ。


この盤の音源。セル&クリーヴランド管@1958


カラヤン&ベルリンフィル1973年来日時のリハーサル@NHKホール。本番衣装も着ているし、おそらくコンサート当日のゲネプロだろう。さっと通して確認という感じのリハだ。カール・ライスター(CL)、ジェイムス・ゴールウェイ(FL)…みな若い。コンマスはミシェル・シュワルベか。ぼくはこのとき浪人生時代。受験勉強そっちのけでNHKFMの生中継に聴き入っていた。



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1960年前後のドヴォルザークの録音

三点セットですね。すでにパブリック・ドメインになっていますが、こうしてまとめて聴いてみると、あらためて素晴らしい演奏だと感じます。70年のEMI録音との比較も、興味深いです。ワタクシ、実は農作業のお供には70年録音ではなく、58年録音の「第8番」を持参します。活力があり、作業がはかどるようです(^o^)/

こんにちは。

愛聴盤セルの8番はCBSしか聴いた事ありませんのでEMIの内容とても参考になりました。

セルのスタイルはテンポが速めで、あちこち立ち寄らない。アンサンブル正確度高く、響きが整理されタイト。

以上により録音案配では全体にスケ-ルに欠けて聴こえる場合があると思います。

カラヤンなどはそれを逆方向にとりアンサンブルの立て線の滲みを幅広い響きに聴かせるような感じがしてました。



ギターネタ歓迎

こんばんは。
はじめて書き込みさせていただきます。
この数か月、ほぼ毎日自宅と会社のパソコンでぽちっとしてるんですけどね、伸びませんですね。昔、ギター教室に通ったりししたこともある身としてはギターネタ歓迎です。しかし、ギターコレクションすごいですね。うらやましすぎです。ハウザーは触ったことありません。ロマニは買いそうになったことはあり。演奏動画も載せておられますが、いざ自分で録画してあの演奏するのはすごいと思います。日本人製作家の楽器でも聴かせてください。前の記事のMP3クイズやってみました。オーディオスピーカでやりましたが同じ5勝1敗でした。
セルのドヴォルザーク、よさげなので買ってみます。新世界をなんとか納得して聴きたいのですが、装置を含めていまだ見果てぬ夢です。とりとめなく書いてしまいました。今後もいろいろな記事期待しています。

Re: 1960年前後のドヴォルザークの録音

この2枚組みは中々よいセットです。7~9番に加えて「謝肉祭」、スメタナの「モルダウ」と「売られた花嫁」から4曲が入っています。リマスタリングが奏功しているのか、いずれもフレッシュな音質で、このコンビの全盛期の素晴らしさを堪能できます。8番聴きながら農作業する兼業ファーマーは、世界広しといえども、そうはいないでしょうね(^^

Re: タイトルなし

どうもセルの70年録音ばかりが過大評価されているのかなあと、今回一連の初期ステレオ録音を聴いて感じました。8番は70年EMI盤を上回るように思います。それほど、音と演奏の鮮度が抜群です。カラヤンの演奏との対比はまったくおっしゃる通りです。メンデルスゾーン<イタリア>など比較すると、カラヤン&BPOは、まるで銭湯の奥でなにやらぼんやり演奏しているように感じます。そのあたりは、またいずれ記事に書きたいと思います。

Re: ギターネタ歓迎

FM大野さん、はじめまして。コメントありがとうございます。それと、日々の清き一票も(^^;
このブログを始める際、記事の半分はギター演奏の動画を載せようかと思っていましたが、自宅で録画することの難しさの前に撃沈。録音ボタンを押したと途端にミスをして弾けなくなるものです。実際はこの動画の800倍は上手です(…もちろんウソ八百です…)
このブログもあと数ヶ月で丸五年を迎えます。ギターネタもなるべく書くように心がけましょう。古い記事にもあれこれ書いていますので、カテゴリーメニューから「ギター全般」や「楽器談義」をクリックして、拾い読みしていただければ幸いです。
どうぞ、これからもヨロシクです。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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