クレンペラーの<イタリア>



梅雨空の週末土曜日。朝から野暮用で夕方まで出ずっぱりの一日。疲れもあって、夕飯のあとソファで爆睡。気付けば時刻は夜半過ぎ。仕込から十日、出来たばかりの梅ジュースで目を覚まし、三日ぶりの更新。深夜のオメザの一枚にと、こんな盤を取り出した。


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先日聴いたセルのメンデルスゾーンを受け、今宵もメンデルスゾーンを。オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団による交響曲第4番イ長調<イタリア>。1960年録音。手持ちの盤は1995年<スコットランド>とのカップリングでリリースされた盤。当時東芝EMIが進めていたHS2088マスタリングによるもの。このHS2088マスタリングはあまり評判がよくなく、その後ほどなく本国仕様ともいうべきART(Abbey_Road_Technology)マスタリングに取って代わられた。

第1楽章冒頭から落ち着いた開始。といっても鈍重なテンポというわけでもなく、多くのこの曲の録音の中にあっては中庸だろうか。ぼくが最初にこの<イタリア>に接したクルト・マズア&ライプツィッヒゲヴァントハウス管による演奏よりずっと軽快な開始だ。各パートの響きはセル盤ほど明晰に分離しないが、それでもカラヤン&BPOよりはずっとクリア。弦楽群の対向配置により、第2ヴァイオリンが右から、チェロ・コンバスがやや左側の手間から奥に定位する。特に第2ヴァイオリンの動きがよく分かり、こんな掛け合いをやっていたのかと、随所で気付かされる。ぼくがこの曲の中で好きな第3楽章でも、やや抑え気味の弦楽群の表情付け、木管群やホルンの秀逸な響きなど、簡素ながら優美で美しいこの楽章を堪能できる。

クリーヴランドの鍛え上げられた鉄壁のアンサンブルは素晴らしいが、ロンドンの腕利きプレイヤーを集めて結成されたフィルハーモニア管のアンサンブルも、もちろん負けてはいない。60年当時としては十分高レベルの録音と相まって、各パートの分離とマスの響きがほどよく調和し、全体的な音響バランスとしてはセル盤に勝るように感じる。 この曲の身上ともいえるフレッシュな溌剌さというイメージという側面ではセル&クリーヴランド盤に譲るが、このクレンペラー盤は、交響曲としての構成感という意味においてドイツの伝統を強く感じさせる重みと深さを備え、ややモノトーンな響きながら、ニュアンスに富んだ素晴らしい音楽的感興を与えてくれる。

この盤の音源。全楽章。



この秋からN響首席指揮者となる予定のパーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団(旧フランクフルト放響)による2012年の演奏。
第2楽章の11分50秒過ぎから、通常はヴァイオリン群の対旋律として扱われる木管群(フルート)を強調して効果を上げている。



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おはようございます。
自分のイタリアは長年クレンペラ-でした。
英国のオケは以前よりメンデは上手ですね。
シックな弦と軽く輝く金管、古風な木管…とても自発的なアンサンブルですね。

カヤランとベルリン来日とフィルハ-モニ管が重なり師匠の指揮者が、ベルリンよりフィルハ-モニ管のほうが良い音してたよ…でした。


英国オケは殆ど初見でやれるそうなのでクレンペラ-も楽なセッションだったのでしょうか。


セルでの622ですが30年近く前に全てのLPを預けた友人の元に眠ってました、、神様に祈りが通じました! ご迷惑おかけしました。

Re: タイトルなし

この当時のフィルハーモニア管の録音を聴くと、ホントにうまいオケだなあと思います。録音のステレオ化には遅れをとったといわれるEMIですが、どうして、50年年代後半のステレオ録音は上々の音質です。音楽的には、ウィーンやベルリンのように歴史的重みやエリート意識もなく、レッグに呼ばれてビジネスライクにセッションで結果を残すという意識が奏功したのでしょうか。

622…何年かぶりで再会するのですね(^^

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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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