ブラームス <ハイドンの主題による変奏曲作品56a>



台風の影響もあって朝から雨。三日間続いた猛暑も一旦休止。それでも気温は27℃ほどあり、かつ南からの湿った空気の流入で湿度も高く、不快指数MAXだ。そんな中、きょうは霞ヶ関での仕事を無事終え、8時少し前に帰宅した。ひと息ついて時刻は十時を過ぎ。冷たい麦茶で(下戸なので…)一服しつつアンプの灯を入れ、先日のコンサートで聴いて気になっていたこの曲を取り出した。


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ブラームス作曲<ハイドンの主題による変奏曲>。バーンスタインとウィーンフィルによる1981年の録音。手持ちの盤は写真の通り、このコンビによるブラームス交響曲全集のLPセット。4つの交響曲と、このハイドン・ヴァリエーション、それと大学祝典序曲、悲劇的序曲が収められている。80年代初頭といえば、ぼくもまだ20代。発売からそれほど月日が経っていなかったと思うが、運よく中古盤を見つけて手に入れた。ブラームスの交響曲を聴き始めたのはもう40年も前にことだが、同時にいくつかの序曲や2つのセレナーデなど、管弦楽曲にも親しんでいた。中でもこのハイドン・ヴァリエーションは聴くたびに、よく出来た曲だと感心し、今もってブラームスの交響曲と並んでよく聴く曲の一つだ。

評価の定まった大家の作品といえども、ときに中だるみや緩慢な感じをもつフレーズが散見されることはあるが、ブラームスの曲にはそうしたところが極めて少ない。取り分けこのハイドン・ヴァリエーションは20分ほどの曲ではあるが、すきのない構成、無駄な遊びのないフレーズ、変化に富んだ管弦楽手法など、聴くほどに惚れ惚れとする作品だ。「聖アントニウスのコラール」の主題は、一見何気ない美しいメロディだが、5小節単位というフレーズによって、一層印象的に響く。弦や木管によるいかにもブラームスらしい抑制の効いた曲想で進む中、時折り短調に転じる第2変奏、第4変奏が心の裏側を映し出すかのようだ。そして終曲の壮麗なパッサカリアで締めくくられる。どの変奏にも彼の交響曲のひと節を思わせるところがあって、これこれ、ブラームスは…と、聴きながら一人合点してしまう。

手元には、セル&クリーヴランド、バルビローリ&ウィーンフィル、ケンペ&ミュンヘンフィル、ベーム&ウィーンフィル、モントゥー&ロンドン響ほか、幾多の名盤があるが、このバーンスタイン&ウィーンフィル盤の演奏は、ウィーンフィルの艶やか音色とバーンスタインの巧者ぶりが際立つ名盤だ。久々に聴いたのだが、響きが少々肥大化したマッチョな演奏かと記憶していた。こうしてゼンハイザーのヘッドフォンフォステクスのアンプよる引き締まった高分解能の音で聴くと、そうした印象はなく、響きは精緻で、アンサンブルやバランスもよく練られているように感じる。そしてフレーズの高揚の頂点で時折り聴こえてくるバーンスタインのうなり声が、演奏の熱っぽさを伝えてくれる。


バーンスタイン&ウィーンフィルによる演奏。この盤と同時期のもの。



同曲の2台ピアノ版作品56b。



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不思議な主題

こんにちは。
この変奏曲の主題は小節数がちょっと変わっていて、
5小節+5小節+4小節+4小節 になっていますね。
またこのテーマは実はハイドンの作曲でなく、
別人の作曲または忘れられた古い讃美歌の一節とも言われ、
その由来がよくわかっていないようです。
この不思議なメロディを作ったのは誰なのでしょう?
曲を楽しむにはあまり関係ないことですが、なんだか興味深い・・・。

Re: 不思議な主題

木曽のあばら屋さん、こんにちは。
5小節単位の部分の3小節目をカットしても、旋律・和声とも問題なく進行しますね。しかし、この1小節があることで、ひと息つく感じがあって、このモチーフが一層印象的に響くように感じます。
由来については、ご指摘のような内容、少しググッて出てくる話以上のことは、知りませんし、また探求しようという気もありませんね。(^^;

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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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