アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズムセクション



連休中日の日曜日。予想通、関東地方は梅雨明け。一気に35℃超えの猛暑日となった。夕方、鰻でも食べようかと、家人と出かけた近所の鰻屋は席待ちの客であふれている。そうか時節柄ねぇ…と納得。きょうでなくてもと早々に退散。地味に家で夕飯となった。 さて、相も変らず夜更けの音盤タイム。いささかマンネリだが、寝る前の歯磨きのようなものか…とつぶやきつつ今夜はジャズを。


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アート・ペッパー(as)のあまりに有名な盤。1957年録音。当時すでにビッグネームになっていたマイルス・デイヴィスのクインテットが西海岸を訪れた際、そのリズムセクションであるレッド・ガーランド(p)、ポール・チャンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)のサポートを得てセッション録音されたもの。収録曲は以下の通り。

1. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
2. レッド・ペッパー・ブルース
3. イマジネーション
4. ワルツ・ミー・ブルース
5. ストレート・ライフ
6. ジャズ・ミー・ブルース
7. ティン・ティン・デオ
8. スター・アイズ
9. バークス・ワークス

この盤はアート・ペッパーの代表盤であると同時に、分かり易くかつ変化に富んだ選曲と演奏からジャズ入門の必聴盤として、またオーディオマニアにとってもジャズ音出しのリファレンスとなる盤としても、つとに有名だ。更に、ヘレン・メリルの歌唱でヒットした<ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ>のインストゥルメンタル版としても、もっぱらこの盤が引っ張り出されることが多い。そうしたいろいろな条件が揃ってこの盤が長く愛されていることになる。
しかしこの盤の魅力はやはりアート・ペッパー自身のサックスの上手さに他ならない。4小節の短いイントロを受けて始まり、軽快な中にも美しいフレーズをよどみなく繰り出す<ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ>。しっとりとした情緒に満ちた<イマジネーション>。アップテンポで吹き抜ける<ストレート・ライフ>。ラテン調ながら憂いにたたえたソロを繰り広げる<ティン・ティン・デオ>。アート・ペッパーのサックスは、白人奏者によるウェストコーストジャズという括りで語られる、軽くやや淡白なスタイルにとどまらず、ドライブ感と情緒表現において十分に深く熱い側面を持っている。そしてこのアルバムでは多彩な選曲を得て、そうした資質を十全に発揮していて、まったく飽きさせない。


名刺代わりともいえる<ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ>。この盤は高音質録音として知られるが、アート・ペッパーのサックスは完全に左チャンネル、レッド・ガーランドのピアノをはじめとするリズム隊はほぼ右チャンネルと、初期ステレオ盤によくあったマスタリングになっている。



<イマジネーション>



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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