Avalon Eclipse



二週間ちょっと前の記事に、以前から気になっていた米Avalon_Accoustic社のスピーカーを試聴してきた件について書いた。その中で「…最新モデルにこだわらず、90年代以降の程度のいい中古があればというところだろうか…」と、半ば妄想しつつ指をくわえていたのだが、どこかで誰かが見ていたのだろう、記事を書いた翌日、アキバの某老舗オーディオショップに、その妄想にぴったしカンカンの出物を見つけた。何事もタイミングが肝心。さっそくその翌日に店を訪ねて試聴。今回の現品がいつの生産時期かは不明だが、キズも少なく程度はいたって良好。前オーナーも同じ販売店の客とのことで、モノの素性も了解済みというもの。価格も適正ということで、試聴もそこそこに10分後にはヨッシャーと手を打ってしまった。


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AvalonのモデルEclipse。1990年に発売され2000年代初頭まで販売された。この手の製品にしては異例のロングセラー。同時に同社がハイエンドスピーカーメーカーしての存在を確立した時期の主力モデルでもある。現行品モデルの中で大きさと重量から相当するモデルをさがすと…Ascendant 2以上Transcendent未満というあたりだろうか。

<製品仕様>
方式         2ウェイ・2スピーカー・密閉方式・フロア型
使用ユニット    低域用:22cmコーン型 高域用:2.5cmドーム型
再生周波数帯域 45Hz~24000Hz ±1.5dB -3dBポイントは35Hz以下
共振周波数    42HzにてQ=0.5
インピーダンス   6Ω(±1Ω、100Hz~20kHz)
出力音圧レベル 86dB(2.83V、1m)
外形寸法      幅280×高さ990×奥行(底面)381mm  重量48kg

創業当時の主宰者が代った現在の同社製品と大きく異なるのは、エンクロージャが密閉式だということウーファが1本だということだ。現行製品はバスレフ型+ツインウーファを基本としている。但し、エンクロージャの剛性を高くし、かつ不要回析を排除する基本ポリシーは変わっていない。明るい色の突き板はブックマッチされていて、たまたま部屋のフローリングの色合いに近いせいかうまく溶け込み、エンクロージャの大きさも気にならない。


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先週末に納品にやってきたショップの担当者と一緒に設置したのだが、サイズの割りに50キロ近い重量はことのほか重く感じる。もちろんキャビネットを叩いても、コンッと表面で音がするだけ。このスピーカと引き換えに下取りに出したスターリングはエンクロージャ容量ほぼ同一ながら重量は約半分だ。箱が鳴ることを前提としたスピーカであることをあらためて認識した。バッフル面の板厚は10センチを超える。縦長で上部の両肩が傾斜しているスタイルも、今ではすっかりお馴染みになり、他社の多くのスピーカでも、このコンセプトを導入している(例えばヤマハのこれや、復活ダイヤトーンのこれなど)。


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さて肝心の音はどうだったか…
ウーファサイズ9インチで密閉箱というスペックから心配していた低音は、店頭での試聴とまったく変わらず、十分に低いところまで反応し、質、量共に文句のないもの。50Hz以下がスカスカでレスポンスしないスターリングとはまったく異次元。ローエンドは12インチウーファと大容量160リットル箱のダイヤトーン2S-305と同等以上に深く沈み込む印象だ。もちろん密閉箱なので妙な共振やふくらみはなし。コントラバスやオルガンペダル音の音階がきっちりと示される。中高音の解像度はAvalon社の真骨頂。高解像度を保ちつつ、音場感も広く深く広がる。86dBの能率はサイズからすると少々低いが、よくある低能率ゆえの反応の悪さなどはない。

先日の記事にも書いたように、再び2S-305を手にしてヴィンテージ路線にいくことも考えたのだが、現代風のハイエンドスピーカも一度経験してみたいという気持ちに抗し難く、今回の選択となった。到着からまだ日が浅く、本格的に鳴らしていないが、おそらくこれまでぼくが一定期間手元に置いて聴いたスピーカの中では、間違いなくもっともよい音の一つ。ハイエンドの名に恥じない名品と確信している。


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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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