赤城山 ブルックナー交響曲第5番


きょう1月3日も当地群馬県南部の前橋は典型的な冬型快晴。風もなく穏やかな一日だった。年末からの寒波は結局のところ日本海側に大きな影響をもたらしたものの、太平洋側の関東地方ではほとんど影響はなく、寒さもことさら寒波というほどでもなく終わった。そんな中、今朝快晴の空をみて郊外まで10分ほど車を飛ばし、当地の名峰;赤城山を写真に収めてきた。高さは1,800mほどの山だが、東西30km以上におよぶなだらかな裾野は富士山のそれよりも長いといわれる。確かにカメラも相当な広角レンズでないとその長い裾野のすべてを収めることが出来ない。


RIMG0005r.jpg


アルペン的な風貌はまったくなく、長い裾野だけが印象的な山で、いかにも日本的か。こんな山を見て思い起こす音楽は何かと考えた。山の音楽というと、リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲が思い出されるが、この赤城山には似つかわしくない。何となくおっとりしていて、それでいて雄大で、自然で…と思いを巡らした結果がブルックナーの交響曲第5番だ。少々こじつけの感無きにしも非ずだが、今夜はこれを聴こう。
ブルックナーの交響曲の中でも第5番は大好きな1曲だ。以前の記事でチェリビダッケとミュンヘンフィルの来日ライブの盤を取り上げた。今夜は先月12月に購入してまだ封を切っていなかった、オトマール・スウィトナーとシュターツカペレ・ベルリン(SKB)の盤をセットした。


スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリン ブルックナー第5番


音が出始めていきなり驚く。第1楽章、低弦群のピチカートのテンポが速いのだ。思い入れもなくスイスイと歩みを進める。これには少々拍子抜けだ。この曲を30年以上前にケンペとミュンヘンフィルの盤で知り、馴染んだ耳には、この第1楽章のピチカートはもっと意味深く弾いてもらいたい。もちろんゆったりとしたテンポがほしい。主部に入っても音楽は横へ横へとスムースに流れていく。縦に杭を打ち込んでいくようなスタイルではない。気になったので手持ちの盤のいくつかについて、第1楽章の演奏時間を調べてみた。

スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリン  18分41秒
ケンペ&ミュンヘンフィル            20分56秒
マタチッチ&チェコフィル            19分25秒
チェリビダッケ&ミュンヘンフィル       23分21秒

やはり最速だ。もちろん音響として軽くはないし、SKBは極上のバランスで素晴らしい音を録音会場のイエス・キリスト教会に響かせている。ただ、いささか食い足らない。アダージョ指定の第2楽章も速めのテンポに変わりなく、音楽はもたれることなく先へ先へと進む。続く第3楽章スケルツォもさぞ急速調かと思うと、ここは中庸で落ち着いた運びとなる。そしてこの曲の聴きどころ最終楽章。クライマックスの二重フーガへの道のりも速め速めに進んでいく。繰り返すが、オケの音響は素晴らしく、管楽器群のバランスも良好で不足感はない。食い足らないといったのは、もっと重心の低い演奏(音響としてではなく、解釈として)を期待あるいは予想していたからだ。よく考えれば、スウィトナーは元々そういうタイプではない。総じてこのブルックナーは、第5番と聞いて連想するような、壮大なゴシック建築を築き上げていくような演奏ではなく、美しくスムースに流れるブルックナーだ。よく晴れた冬の青空になだらかなスロープを延ばす上州・赤城山には、少々流麗過ぎるが、長大な曲にも関わらず、聴いた後にさわやかさの残る演奏として、悪くないマッチングかもしれない。

さて、きょうで休みも終わり、明日から会社だ。寒さもこれからが本番。
まあ、今年もボチボチやっていきましょう。


にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

No title

こんばんは、シイバです!赤木山キレイですねーヽ(・∀・)ノ今年も一年よろしくお願いします☆
先日のメールは失礼しました!せっかくのお誘いをまた断ってしまった格好で大変申し訳ございませんでした。

Re: No title

こんばんは、与太です。

> 赤木山キレイですねーヽ(・∀・)ノ今年も一年よろしくお願いします☆

赤城山は群馬のパワースポットの権化、ソウルマウンテン(そんな言葉ある?)です(^^;
こちらこそヨロシク。また楽器遊びを楽しみましょう。





No title

遅くなりましたが…
おめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
赤城山どの辺で写されたのでしょうか?
とっても綺麗に撮れてますね!

毎日ゆったりと素適な時間♪とっても羨ましい。
昔親戚から譲り受けたオーディオ
父がソファーに座り、クラシックや映画音楽を
楽しんでたのを思い出します。
私は今の所中々無縁ではありますが
(唯一音楽を聞く…と言えば、ミシンを掛ける時と車の中かな アハハ~)
いつか与太さんみたいな素適な時間がもてることを夢見ています。

Re: No title

Ricoさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

> 赤城山どの辺で写されたのでしょうか?

え~とですね。片貝方面、前橋高校とベイシア電器の間あたりの裏道です。
北側に大きな建物がないので一望ですよ。5年物のオールドデジカメで
撮りました。空と畑の地面をカットしてワイド横長になりました。


> 毎日ゆったりと素適な時間♪とっても羨ましい。

現実はそんな優雅な日々とは無縁ですよ。
毎日ヘトヘト、グチャグチャ、コテコテ。
せめてブログくらいねぇ…現実は見えませんから(^^;

今後ともよろしくお願いしま~す!

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)