ショパン マズルカ イ短調 作品17-4



報道されている通り、関東平野のど真ん中が大変な状況だ。お盆以来ずっとはっきりしない天気が続き、挙句の果てにこんな豪雨に見舞われるとは思いも寄らなかった。今回は隣県の栃木から茨城の、もともと土地の低い地域に雨も集中した。あすは天気回復するとの予報だが、一刻も早い収束を祈るばかりだ。
さて、週半ばの木曜日。きょうもせっせと業務に精励。七時半過ぎに帰宅。ひと息ついて、夜半の音盤タイム。先日のボーズ製品の検分中に聴いていたこの盤をあらためて取り出した。


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ヴァレリー・アファナシエフによるショパンのマズルカ集。2001年4月、当地群馬県笠懸野文化ホールでのセッション録音。手持ちの盤は例によって日本コロンビアの廉価盤<クレスト1000>シリーズの一枚。収録曲は以下の通り。

 1. マズルカ イ短調 作品17の4
 2. マズルカ 変ロ短調 作品24の4
 3. マズルカ 変イ長調 作品41の4
 4. マズルカ 変ニ長調 作品30の3
 5. マズルカ 嬰ハ短調 作品30の4
 6. マズルカ ト短調 作品24の1
 7. マズルカ ホ短調 作品17の2
 8. マズルカ ホ短調 作品41の2
 9. マズルカ 嬰ハ短調 作品50の3
10. マズルカ ヘ短調 作品63の2
11. マズルカ 嬰ハ短調 作品63の3
12. マズルカ イ短調 作品67の4
13. マズルカ イ短調 作品68の2

収録曲全13曲のうち11曲が短調作品という異例の選曲。もちろん、アファナシエフの意図あっての選曲だ。いずれの曲も、遅いテンポで一音一音噛みしめるかのような弾きぶり。深いメランコリーと失意とあきらめと…そんなことを想起させる演奏だ。

ショパンが晩年に至るまで50曲以上書き続けたマズルカは、彼の望郷の歌であり、音楽家としての原点でもある。アファナシエフの手になるこの演奏は、先人のルビンシュタイン、ミケランジェリ、同時代のピリスらともまったく趣きを異にする。しかし、この演奏を聴いてしまうと、他の演奏がかすんでしまう程だ。中でも最初のトラックに入っているイ短調作品17-4のマズルカは絶品だ。通常4分程度の演奏時間のこの曲を、アファナシエフは6分半以上かけて演奏している。…絶望と悲惨と荒々しさに満ちた無克の歌。独自の美学に生きる鬼才のピアニストの厳粛なる儀式…と記されたジャケット帯のコメントそのものの演奏だ。初秋の気配を感じるこの時期に聴くに相応しい。


残念ながらアファナシエフが弾く作品17-4の音源は見当たらず。代わってこちら作品67-4を。
2006年のライヴ。録音はモノラル。



ルビンシュタインによる作品17-4。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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