弦楽合奏版ゴルトベルク変奏曲
久しぶりに晴れ間がのぞく一日。週末金曜日。今週も終了!ふ~っ…
あすは土曜日。ちょっとした用事はあるが、平日のように早起きの必要はない。それを思うだけで、心おどる週末の夜。こんな夜は、程よく冷やした白と頂き物のめずらしいチーズで一杯…というのは真っ赤な嘘。まったく下戸の不調法につき、<初恋の味カルピス>で一服しつつ、こんな盤を取り出した。

バッハのゴルトベルク変奏曲の弦楽合奏版。ドミトリ・シトコヴェツキー率いるニュー・ヨーロピアン・ストリングスによる演奏。1993年録音。手持ちの盤は10年程前にワーナーレーベルから出た廉価盤シリーズの一枚(こちらで試聴も)。
シトコヴェツキー(1954-)はヴァイオリニストにして指揮者、編曲者。グールドの人となりに魅せられ、それがきっかけでゴルトベルク変奏曲にひとかたならぬ思いを抱くようになったそうだ。当初、弦楽三重奏に編曲。ミーシャマイスキーらによって取り上げられた。その後、その拡大ヴァージョンとでもいうべき弦楽合奏版を完成させ、この録音に行き着いた。
実に巧みに考えられた編曲だ。冒頭のテーマはシトコヴェツキーのヴァイオリンソロと、それを静かに支える弦楽合奏の響きで楚々と始まる。以降、変奏になると、あるときは合奏協奏曲、あるときはトリオ、あるときはヴァイオリン協奏曲の緩徐楽章のようにと、手を変え品を変え、多彩な響きが部屋を満たす。この曲が「眠りを誘うための曲」なのか、「眠れぬ夜を退屈させないための曲」なのか、諸説あるようだが、この弦楽合奏版はいずれでもなく、覚醒してじっくり聴くに値する。オリジナルの、取り分けグールドの演奏にように、研ぎ澄まされた、ときにミニマルミュージックかと思わせるような曲調と違って、ずっとグラマラスで色彩的な音楽に仕上がっている。今や様々な楽器で演奏されるゴルトベルクだが、この弦楽合奏版はひときわ心地よい演奏だ。
この盤の音源、全曲。再生回数の多さが人気の高さを物語る。
こちらは同じシトコヴェツキーによる弦楽三重奏版。
IMSLPでも、ギターアンサンブルをはじめ、多くのアレンジが確認できる。
http://imslp.org/wiki/Goldberg-Variationen,_BWV_988_(Bach,_Johann_Sebastian)
★★追伸★★
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