カラヤン&VPO <惑星>



きょう9月12日は<宇宙の日>だそうだ。毛利衛さんがエンデヴァー号に搭乗した日を記念して1992年に制定されたとあった。そうと知ったら、今宵の音盤タイムはこの曲しかないだろう。


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お馴染み、グスターヴ・ホルスト作曲の組曲<惑星>。カラヤン指揮ウィーンフィルによる1961年の録音。この時期に英デッカに録音されたカラヤン&ウィーンフィルによる一連の録音中の一枚。手持ちの盤は、ぼくら世代にはお馴染み、70年代半ばのカラヤン&ベルリンフィル来日に合せてキングから発売された廉価盤シリーズのもの。
このカラヤン&ウィーンフィル盤以前から、ストコフスキー盤、サージェント盤、ボールト盤など、<惑星>の録音はあるにはあった。しかし、この曲の持つゴージャスなオーケストレーションや曲想のポピュラリティーを広く知らしめたのは、間違いなくこの盤が最初だった。ウィーンフィルの輝かしい音色、金管群の咆哮と炸裂する打楽器群、そしてそれらを見事にとらえた英デッカの録音…そうした要素が集合してこの名盤は生まれた。

60年代初頭のカラヤン&ウィーンフィルによる録音は、いずれも同時期のベルリンフィルとの独グラモフォン録音とはまったく異なるトーンバランスだ。カラヤンの特質としてよく言われる、華麗なオーケストラサウンドという言葉は、手兵ベルリンフィルよりもウィーンフィルとのデッカ録音の方がより相応しく感じる。この盤の演奏でも、艶やかな弦楽群、輝かしい金管群、思い切りのいい打楽器群等、半世紀以上前の録音であることが信じられないほどリアルだ。加えて、ベルリンフィルでは自らのコントロール化におき、録音セッションでもテイクを重ねて完璧を期そうとするカラヤンが、このウィーンフィルとの録音では、ほとんどワンテイクではないかと思わせるような流れの良さと勢いを感じる。ところどころアンサンブルの乱れや管楽器群の音程に乱れがあるのは事実だが、そうした些細なことに拘泥せずにライヴを繰り広げる趣きがある。

冒頭の<火星>での力感あふれる推進力、<木星>での演出の巧みさなどは言うまでもないが、<金星>や<海王星>での官能的な美しさも比類がない。神秘的な<土星>ではコントラバスの深い低音が見事に音楽を支える。英デッカの録音は中高音域のメリハリばかりでないことの証左だ。<天王星>での分厚い金管群とダイナミックな打楽器群も圧巻。70年代以降、メータ、ショルティ、バーンスタン、プレヴィンらが競うようにこの曲をリリース、さらに冨田勲のシンセサイザー版、最近の木星歌唱版まで含めても、このカラヤン&ウィーンフィル盤の価値はいささかも変わらないだろう。


この盤の音源。



今年2015年のPROMSでのライヴ。フィンランド生まれのスザンナ・マルッキ指揮BBC交響楽団。



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60年代カラヤンの名作

こんにちは。懐かしい演奏です。
ワクワクしながらLPで繰り返し聴いたものです。
のちにCDで聴くと、意外に荒っぽい(?)演奏だったのにびっくり。
洗練された演奏の記憶が」あったもので。
でもそんな粗削りで豪快なところが魅力、BPOとの新録音よりもこちらが好きです。
60年代のカラヤンは、のちの「カラヤン・サウンド」とはまた違った演奏をしていたんですね。

No title

こんばんは

このカラヤンの英デッカ盤は聴きましたねえ、ごく普通の再生機でHiFiサウンドが味わえました。今はCD化されたものしか持っていませんが、おそらくLP盤のほうが満足いくサウンドだと思います。

Re: 60年代カラヤンの名作

この演奏を初めて聴いたとき、ベルリンフィルとの完璧にコントロールされた奏とは雰囲気がまったく違っていて驚いたものです。当時ウィーンフィルにとって<惑星>は初めての録音でしたし、おそらく演奏会でも取り上げたことはなかったのではないでしょうか。ウィーンフィル自身が楽しんでいる、こんな曲だってお手の物だぜという声が聞こえてきそうな演奏です。

Re: No title

ジャケット裏をみると、このシリーズはオペラ抜粋盤なども含めて20枚が発売されていますね。1973年秋の来日に合せたリリースだったはずです。このとき私は浪人生。友人と一緒にNHKのチケット抽選に申し込みましたが、私はハズレ、友人はアタリの思い出があります。CDの音質ははどうでしょうか。聴いてみたい気もしますが、この国内廉価盤LPで十分に満足です。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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