バッハ カンタータ BWV198<候妃よ、さらに一条の光を>



関東地方は朝から天気回復。気温は30度近くまで上がったが、湿度少なく盛夏のような不快さはない。シルバーウィークは好天が続くとのこと。初秋の好日を満喫するには絶好だが、先日から我が家の一員に加わったパピーの行動がまだ制限されることもあってステイホーム。夏の疲れを癒しつつ、こんな盤を聴いている。


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バッハのカンタータBWV198。<候妃よ、さらに一条の光を>と題される一曲。手持ちの盤は、ブリリアントクラシックスからリリースされた例の激安バッハ全集(確か二代目)の1枚。オランダのネーデルランド・バッハ・コレギウムというピリオドスタイルの団体が中心になったメンバーによる演奏。通奏低音にはリュート2台も加わっている。
1727年、バッハ42歳のときの作品。当時のザクセン候国選帝侯の妃であるクリスティアーネ・エーバーハルディーネの死去に際して執り行われた追悼式のために作られたという。<追悼頌歌=Trauer-Ode>と副題が付されている。教会音楽のミサ形式で書かれていればレクイエムということになるのだろう。曲は下記の通り大きく一部と二部からなり、バッハのカンタータの中では規模の大きいもので、演奏時間は30分を越える。そして楽曲の美しさにより、古くからバッハのカンタータの中でも名曲として愛好されている。

第1部
 合唱
 レチタティーヴォ(ソプラノ)
 アリア(ソプラノ)
 レチタティーヴォ(アルト)
 アリア(アルト)
 レチタティーヴォ(テノール)
 合唱
第2部
 アリア(テノール)
 レチタティーヴォ(バス)
 アリア(バス)
 合唱

印象的な付点リズムの第1曲の合唱によって曲は始まる。以降、短調調性をベースにしたアリアとコーラスを交えて曲は進む。亡き妃を追悼し賛美する歌詞によるが、音楽そのものは悲しみに沈むというよりは、その生前の存在を礼賛するかのように、しばしば活力を伴った美しさに満ちている。第3曲ソプラノのアリア、第5曲アルトのアリアの美しいアリアに加え、フルートトラベルソとオーボエのオブリガートを伴って歌われる第2部テノールが歌うアリアも際立って魅力的だ。もちろん合唱部分はバッハを聴く醍醐味にあふれる。
ブリリアント盤で演奏しているネーデルランド・バッハ・コレギウムという団体は、総じて堅実な演奏をしているが、メジャーレーベルのトップ楽団ほどの完璧さはない。器楽パート、合唱とも、ときに不安定さがのぞき、また指揮者による意思統一の度合いもさほど徹底している印象はない。しかしヨーロッパ社会の中で日常的に演奏される雰囲気とでも言おうか、素朴さと謙虚さとを聴くべき演奏かなと思う。

言うまでもなくバッハ作品の中でカンタータはその過半を占める。ぼくらギター弾きに中には、バッハに執心し愛好する輩も多く、それはそれで結構なことなのだが、多くの場合、リュート作品やギター用にアレンジされたいくつかを弾き、また弦楽や鍵盤作品に少々接する程度にとどまる場合が多い。そういうぼく自身もその典型のようは偏狭なビギナーに過ぎないが、やはりバッハは声楽曲とオルガン曲に接してこそという感を、最近ひしひしと感じている。


フィリップ・ヘルヴェッヘとシャペル・ロワイヤルによる演奏。こういう演奏を聴くと、さすがにブリリアント盤は少々分が悪い。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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