ベートーヴェン 劇付随音楽<エグモント>



先日来、気分はめずらしく声楽曲モード。音盤棚の声楽曲エリアを眺めていたら、こんな盤が目にとまった。しばらく聴いていなかったなあと思い出し、CDプレイヤーにセットした。


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ベートーヴェンの劇付随音楽<エグモント>作品84の全曲盤。ハインツ・ボンガンツ指揮シュターツ・カペレ・ベルリンによる演奏。ソプラノにエリザベート・ブロイル。1970年ベルリン・イエスキリスト教会での録音。手持ちの盤は、2000年前後にドイツ・シャルプラッテンの盤がまとめて廉価盤リリースされたときのもの。

エグモントというとその序曲がよく知られている。いかにもベートーヴェンらしい曲想もあって、アマチュアオケもしばしば取り上げるなど、ベートーヴェンの序曲の中でももっともよく演奏される一曲だ。序曲というからには、以降の本編があるはずだというのは学生時代から心得ていたが、実際には滅多に演奏されることがないその全曲を耳にしたのは、この盤が初めてだった。ゲーテの同名の戯曲に付随する音楽として、依頼を受けたベートーヴェンが1787年に作曲。オペラ作品ではないが、序曲に続き、語りを交えつつ管弦楽とソプラノの歌を織り交ぜて進行する9曲からなる。

 序曲
 第1曲: クレールヒェンの歌「太鼓をうならせよ」
 第2曲: 間奏曲 第1番
 第3曲: 間奏曲 第2番
 第4曲: クレールヒェンの歌「喜びにあふれ、また悲しみに沈む」
 第5曲: 間奏曲 第3番
 第6曲: 間奏曲 第4番
 第7曲: クレールヒェンの死
 第8曲: メロドラマ「甘き眠りよ!お前は清き幸福のようにやって来る」
 第9曲: 勝利の行進曲

序曲以外の曲がほとんど演奏される機会がない理由はどこにあるのか。9曲の個々の曲にはベートーヴェンの他の楽曲に見られるようなフレーズや和声進行、また美しい旋律もある。しかし、「小鉢の単品料理を並べただけ」という雰囲気はまぬがれない。提示し、展開し…というぼくらがベートーヴェンに期待するような構成からは遠い。そのあたりが序曲以外に日の目が当たらない理由だろうか。しかし、ソプラノが歌う第1曲の<太鼓をうならせよ>や、第4曲の<喜びにあふれ、また悲しみに沈む>はいずれも美しく、またベートーヴェンらしい明瞭さと活力がある。
実はこの盤の魅力の半分以上は、曲よりもハインツ・ボンガンツ&SKBによる演奏にある。ひと昔前の歌劇場たたき上げといっていいボンガンツと、そのボンガンツの解釈を具現化する、当時まだグローバル化していない時代の東独名門オケによる演奏が聴き物だ。響きは渋く、よくブレンドされ、ボンガンツの指揮には歌劇場出身らしいドライブ感があって好ましい。独シャルプラッテンによるアナログ最盛期の録音も充実している。


ジョージ・セルとウィーンフィルによる1969年セッション録音の音源。セルとウィーンフィルは、この当時しばしばザルツブルク音楽祭で演奏していた。そのつながりからセッション録音が成されたものだろうか。演奏、録音ともに素晴らしい。序曲では気合を入れるセルのうなり声が聞き取れる。
第1曲: クレールヒェンの歌「太鼓をうならせよ」は、11分30秒過ぎから。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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