福田進一(G) <19世紀ギター・デヴュー>



早いもので十月も下旬。秋たけなわではあるが、ここ数日気温は高め。関東内陸の当地にある拙宅でも夜の風呂上りは半袖Tシャツでオッケーな状態。もっとも豊富な皮下脂肪ガードによるのだろうが。
さて、どうやらギターねたの記事の方がバナークリックの成果もあるようなので、今夜もギターを聴くことにしよう。妙な動機付けだけど…

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本邦ギター界の第一人者といってよい福田進一が19世紀ギターで古典ギター黄金期の作品を取り上げた盤。例によって日本コロンビアの廉価盤クレスト1000シリーズ中の一枚(こちらで試聴も)。1994年録音。きのうの鈴木大介の盤同様、埼玉県の秩父ミューズパークで録られている。収録曲は以下の通り。

ナポレオン・コスト(1805-1883)
夢 作品53の1
フェルナンド・ソル(1778-1839)
エチュード イ長調 作品6の12
エチュード ハ長調 作品29の17
エチュード ロ短調 作品35の22
エチュード ホ長調 作品31の23
モーツァルト「魔笛」の主題による変奏曲 作品9
ワルツ ホ長調 作品32の2
ディオニソス・アグアド(1784-1849)
華麗なロンド 作品2の2
ナポレオン・コスト(1805-1883)
交響的幻想曲よりアンダンテ 作品38の14
スペインの歌「カチューチャ」によるカプリス 作品13
ヨーゼフ・カスパル・メルツ(1806-1856)
ハンガリー風幻想曲 作品65の1
夕べの歌~吟遊詩人の調べ、作品13より

クラシックギター界で、いわゆる19世紀ギターがプロアマ問わず取り上げられだしたのはいつ頃だろうか。ぼく自身は80年代半ばから十数年間、ギターとは少々疎遠な時期があったので定かでないのだが、この盤が「19世紀デヴュー」と称されてリリースされたことからみても、おそらく90年代に入ったあたりからではないだろうか。ぼくがギターにカムバックした2000年初頭にはすでにインターネットでも盛んに情報が行き交っていた。もちろんギターを弾き初めた70年代初頭から、例えば当時の楽器の代表格ともいえるルネ・ラコートの名前と姿は見知っていたが、まさか自分がオリジナルの19世紀を手にしようとは、ギターを再開した2000年代初頭にも思ってもみなかった。
19世紀ギターは20世紀以降のモダン楽器とは音色、発声、手にした感触、いずれも大きく異なる。ギター弾きにはお馴染みのソル、ジュリアーニ、カルリをはじめ、多くの19世紀のギター作品が当時弾かれた、そのままの姿を再現しようと思うとき、必然的に楽器も当時のスタイルのものを手にしたくなる。一般のクラシック、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパンも、現代の楽器と当時の楽器とでまったく趣きがことなる。今となっては、どちらが正統ということも意味がないかもしれないが、一度はオリジナルの形を見知っておくべきだろう。

さてこのアルバム。名器ラコートのオリジナル楽器を使い、美しいアコースティックの秩父ミューズパークという絶好の環境を得ているのだが(少々残響過多ではある)、演奏そのものに古典的な薫りがいささか乏しい。出てくる音、そしておそらく弾き方もモダン楽器の色合いが強い。器用かつぬかりのない技巧で鮮やかに弾いてはいるのだが、古典作品としての気品、ほのかなロマンティシズムといったものが伝わってこない。この盤を取り上げておきながら、ネガティブなことを書くのは失礼千万であるのだが…。今から20年前ということもあって、おそらく福田氏自身、いままた同じような企画に取り組むとすれば、また違った演奏になるかもしれない。

古楽器一般を操る井上景によるコスト<夢>作品53-1。
使用楽器は英チャペル社のものとか。ぼくのチャペルとは少し仕様が異なる。


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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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