リヒターのモーツァルト<レクイエム>


数日間くすぶっていた天気が回復。予報では寒気が入ってくるとのことだったが、相変わらず気温は高めで湿度感もあり、関東地方のこの時期にしてはすっきりしない。 2週間ほど前から続いていた少々やっかない仕事が山を越し、きょうは少し早めに帰宅。ゆっくりと風呂につかり、生気を取り戻したところでオーディオのスイッチを入れた。


Karl_Richter_1969.jpg  DSCN4412 (560x560)


しばらく前から、そのうち聴こうと思っていた盤を取り出した。
モーツァルトの<レクイエム>。カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ合唱団と管弦楽団による演奏。1960年録音。手持ちの盤は70年代中庸にキングレコードから出ていた廉価盤のテレフンケン名盤シリーズ中の一枚。発売されてまもない頃、大学三年のときに手に入れた。 今更説明不要の名曲にして名演。実際このレコードを初めて手にして、当時の貧弱なオーディオではあったが、四畳半の下宿にこの演奏が響いたときの感激は今も忘れない。まるでバッハの宗教曲を聴いているかのような厳しい佇まい。力強い管弦楽。伸びやかに歌う歌唱のソロ。モーツァルトの作品共々、いずれもそれまで聴いたことのない世界に触れた感動に、多感だった十代のハートは高鳴ったものだ。
ああ、あれから四十年(^^;…
いやいや、今もこの曲を聴くときの感動は変わらない。その後、ワルター&ニューヨークフィル、ベーム&ウィーンフィルなども盤も手に入れた。バーンスタイン晩年のバイエルン放響との録音は手に入れてから十年近く経つが、まだ封を切っていない。そのあまりに重いと評される演奏に触れるのを躊躇しているからだ。そしてこの曲を聴こうというときには、やはりこのリヒター盤に手が延びる。

インテンポながらそれぞれの曲に見合ったテンポ設定で窮屈な感じはしない。音量のダイナミクスと、フレーズ毎の硬軟が十分練られた解釈で、それが意外なロマンティックな表情を生む。残念ながら手持ちのLP盤の音質は今一つ冴えないが、おそらく現行CDの音質は良好だろう。下に貼ったYOUTUBE音源の音からも、元々の録音の良さをうかがい知ることができる。左右いっぱに広がったオケ。中央奥を中心に左右に展開する合唱群。いずれも素晴らしい。録音から半世紀以上たった今聴いても圧倒的な説得力。けだし名曲、名盤。


この盤の音源。手持ちのLPよりずっと良好な響きだ。



ヘルヴェッヘ&シャンゼリゼ管によるPROMSでの演奏。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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