オーケストラアンサンブル金沢 <夢千代日記・波の盆>



今週も月火と業務に精励。先週末のノスタルジックツアーの余韻にひたる間もなく、先月からの続きでそこそこ多忙だ。 さてきょうは8時少し過ぎに帰宅。ひと息ついてアラジンストーブで暖を取りつつ、金沢つながりでこの盤を取り出した。


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武満徹とも親交の深かった岩城宏之とオーケストラアンサンブル金沢:OEKによる<夢千代日記・波の盆>と題された一枚。数年前に仕事で金沢を訪れたとき、老舗レコード店<山蓄>で買い求めた(山蓄はその後閉店)。お気に入りの盤のひとつで、これまでも何度か記事にしたので、今夜もそれを再掲しておく。 収録曲は以下の通り。

(1) 海へ2
(2) ア・ウェイ・ア・ローン2~弦楽オーケストラのための
(3) 雨ぞふる~室内オーケストラのための
(4) トゥリー・ライン~室内オーケストラのための
(5) 訓練と休息の音楽~「ホゼ・トーレス」より
(6) 葬送の音楽~「黒い雨」より
(7) ワルツ~「他人の顔」より
(8) 波の盆~オーケストラのための
(9) 夢千代日記

武満徹というと、ぼくら世代には<弦楽のためのレクイエム><地平線のドーリア>そして<ノヴェンバー・ステップス>といった初期傑作群の印象が強い。緊張と平穏、不安と安堵、そうしたものを切り詰められた精緻な音で表現したそれらの作品群は、武満徹の代名詞だった。一方で彼は100を超える映画音楽を書き、その中で彼らしい現代風の音楽と同時に、ポピュラリティの濃い作品も多く残した。

この盤で取り上げているのは主に80年代以降に書かれた作品。アルトフルートの落ち着いた音色が美しい<海へ>は、元々アルトフルートとギターのために書かれ、のちに弦楽合奏版<海へII>となった。<ア・ウェイ・アローン><雨ぞふる>共々、武満らしい透明感あふれる抒情的な響きに満ちている。映画「他人の顔」のノスタルジックなワルツ、<波の盆>は実相寺昭雄が監督したドラマの中で使われた悲しいほど美しい抒情歌だ。吉永小百合の演じたNHKのドラマ「夢千代日記」の音楽はしっかり記憶に残っている。<波の盆><夢千代日記>は、ギタリストで現代音楽にも精通し幾多の武満作品の初演も行った佐藤紀雄が編曲および発掘した楽譜で演奏されている。

昨今も武満徹の人気は高いと思われるが、どちらかというと、後期の調性感と歌謡性の色濃い作品ばかりが取り上げられるような気がする。それを悪いとは思わないが、やはり初期の作品あっての彼であり、後期の作品にも初期作品にあった音の透明感は変らずに存在することを認識した上で、取り上げてほしいと感じる。

<波の盆>


<夢千代日記>
以前書いた記事のためにぼくが撮った写真がバックに使われていて驚いた。



映画「他人の顔」から<ワルツ>
安部公房の原作は大昔に読んだ記憶があるが、映画は観たことがない。平幹二郎、仲代達也、京マチ子、村松英子…昭和ど真ん中。


若き日の前田美波里(当時18歳)による歌唱はこちら



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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