2015年述懐 <音曲編>
今年も残すところ数日となった。
どうということのない与太記事続きの本ブログだが、世間並みに年の終わりの本年述懐をしておこう。ブログタイトル<六弦音曲覗機関:ろくげんおんぎょくのぞきのからくり>の成り立ちより、本日はまず<音曲編>を。去年の述懐とほとんど変わらない状況に、我ながら進歩のなさと加齢を実感する。
さて、今年2015年は230本余の記事を書き、その中でおそらく200枚程の音盤を取り上げた。10月にはブログ開始から5年が経過し6年目に入った。記録もしていないので定かでないが、この間、記事にした盤は900枚になるだろうか。音盤棚の目に付くところにある盤は、大体取り上げたかもしれない。 全在庫4000枚余の確認を記事にしていると一生続きそうになるが、そう意識して確認するつもりもないし、土台無理な話だ。もちろん新たな音盤購入は皆無といっていい状態だし、中古レコード店巡りはもうやるつもりはない。魅力的ながらCDのボックスセットに付き合うのもそろそろ止めにしようと考えている。…といった舌の根も乾かぬうちにナニではあるが、今年は新規調達も少々あった。

一昨年、ジョージ・セルの録音が本家CBSソニーから少しまとまってリリースされた。その際、ブラームスの交響曲集を入手し、このコンビの精緻かつ活き活きとした演奏に感銘を受けた。昨年はシューマンとベートーヴェンの交響曲集を加え、今年になって更に、ドヴォルザークの7・8・9番、マーラー6番、スラブ舞曲集、ハイドンやモーツァルトの交響曲選集、ワグナー管弦楽曲集やムソルグスキーなどを手に入れた。いずれも精緻なアンサンブルと熱いパッションを両立させた名演。セル&クリーヴランドのコンビはLPレコード時代の70年からもちろん承知はし、何枚か手持ちの盤もあったが、その後はあまり注目せずにきた。一昨年からの一連のCDリリースではリマスタリングで音質も改善され、ようやく喉の渇きをいやした次第だ。
バッハ作品の中核を成すカンタータも時折り聴くようになった。ギター弾きの一人としてもっぱら器楽曲ばかりに目がいっていたが、「やはりバッハ作品の大半を成す宗教曲を聴かずして」の思いも強くなり、実際に教会暦に従って、一つ一つの作品をたどる試みの面白さにも気付いた。かつては重厚長大なロマンティック要素を引き継いだ演奏を好んだが、昨今は量感に頼った力ではなく、音楽の骨格と調和的要素に耳がいくようになり、よりオーセンティックな演奏に惹かれるようになったのも今年の変化の一つだった。
秋になってブロムシュテットとシュターツカペレドレスデンの録音が久々にリマスタリングされて再発されたのを機に、ベートーヴェンとシューベルトのボックスセットを入手。ついでにスウィットナーのシューマン、シューベルト、コリン・デイヴィスのシューベルトなどを加えた。いずれも70年代終盤から90年代初めにかけての録音。シュターツカペレドレスデン、シュターツカペレベルリンという、かつては<東側>ということわりがついた団体だが、いずれも現在ほどグローバル化される前の伝統的なオーケストラサウンドが堪能できる演奏だった。在庫切れ間際に手に入れたラッセル・デイヴィスのハイドン交響曲全集とバーンスタイン&ニューヨークフィルによるマーラー交響曲全集もお楽しみに加わった。いずれもCD1枚あたり単価@200円という音盤デフレ事情は変わらずだ。
ジャズやポップスも手持ちの盤を時折り出して楽しんだが、以前からファンの由紀さおりに加え、伊東ゆかり、ジュディ・オング、少し若い世代で森口博子らのアルバムを手に入れた。古い昭和歌謡やポップスを聴いて懐かしむという行為そのものも、段々と楽しさやノスタルジーを通り越して、少々辛く暗い気持ちの方が先に立つようにもなり、これも年齢のなせるわざかなあと複雑な気分だ。
もう二、三年前から考えていることだが、音盤在庫もいずれ整理しようと思っている。その「いずれ」のタイミングを推し量りつつ、当面差し迫った状況でないのをいいことに先延ばしをしているわけだが、還暦を過ぎたとことを機にボチボチと…という意識にはなってきた。実は数年前に、音盤に押されて場所を失った書籍数百冊を処分した。処分する前には、後悔の念に襲われるのではないかとも思っていたが、実行してみればあっさりしたもので、どうということはなかった。レコードやCDもと思うのだが、こちらは高校時代に最初に買ったレコードからして、まだ1枚も処分していないという現実があって思案中だ。20年後には手提げ鞄一つに道楽の品を収まる程度にして、跡を濁さずの状況を作りたいのだが、さて実行かなうか、かなわざるか。
手持ちの古い録音の在庫確認に終始する中、最近の演奏家に関しては、もっぱらYouTube音源のお世話になった。ブログ記事に貼り付ける目的で当てもなくサーチする中、いくつか印象的な演奏にも出くわした。以下に二つ。
バッハの宗教曲演奏は70年代から次第に、それ以前の重厚長大型から小編成へのシフトが行われてきた経緯があるが、こちらは80年代後半から試みられるようになった合唱団をおかず各声部1名による究極の小編成。ジェズアルド・コンソート・アムステルダムによるBWV80。躍動的で小編成ながらまったく不足感はない。
最近聴く交響曲は、かつてのモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスあたりから、ハイドン、メンデルスゾーン、シューベルト、シューマンにシフトしてきた。中でもシューマンの4曲はブラームスの4曲に勝るとも劣らない。YouTubeで出会ったダニエル・ハーディング&マーラー室内管弦楽団による第2番の名演。
★★追伸★★
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