生誕150年カリンニコフ 交響曲第1番



昨夜から今朝にかけ、関東地方はこの冬初めての本格的な降雪に見舞われた。北関東平野部で20センチほどの積雪。雪国の人には、それが何か?と問われそうだが、関東では10センチも降れば大騒ぎだ。きょうも新幹線・在来線ともまともに影響を受けダイヤは夕刻まで乱れ続けた。
さて、冬の寒さもピーク。先日のコンサートではロシア物を堪能。やはり冬はロシアざんしょ、というわけで、今夜はこの盤を取り出した。


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近代ロシアの作曲家カリンニコフ(1866-1901)の交響曲第1番。この盤についてはかなり以前に一度取り上げたので再掲。
カリンニコフは病と貧困にうちに34歳で夭折した。彼の残した作品の中では二つの交響曲が有名で、特に第1番は全編美しい旋律にあふれた佳曲として、20世紀初頭には盛んに演奏されたと聞く。実際、手元にある戦前の本、門馬直衛著「音楽の鑑賞」(春秋社1940年刊)にはロシアの抒情派としてカリンニコフの名が挙げられている。その後一旦世の中から忘れられたかのように、録音やコンサートでもメジャーな存在ではなくなったが、2000年代になって入手容易なこのナクソス盤のリリースもあって、再びクラシックファンの人気を呼ぶところとなった。そして今年はカリンニコフ生誕150周年とのことで、N響の定期でも取り上げられるようだ。

美し過ぎる○○というフレーズが流行ったが、カリンニコフの交響曲はまさに美し過ぎる交響曲だ。第1楽章冒頭から短調の美しい民族調メロディーがユニゾンで奏される。ロマン巨編の映画音楽を聴いているかのようだ。第2主題もウクライナの広大な小麦畑をイメージさせるように雄大で、しかも美しい。展開部ではフーガも駆使して盛り上がる。第2楽章はハープの伴奏を受けて哀愁に満ちた旋律が歌われる。第3楽章のスケルツォは実に立派で、ここでも美しい旋律がシンフォニックに扱われ素晴らしい。終楽章では第1楽章の主題が回顧され、それをモチーフに壮大に展開され明るい大団円となる。

このナクソス盤で演奏しているテオドル・クチャル指揮ウクライナ国立交響楽団は中々の実力派オケだ。ウクライナのオーケストラをいっても知名度は高くないが、歴史のある団体のようだし、ウクライナは多くの演奏家を排出している土地柄でもある。ウクライナ放送局のコンサートホールでの録音とのことで、少々残響が多めだが弦楽器は美しく録られているし、管楽器とのブレンド具合も申し分ない。併録されている交響曲第2番も1番に劣らず美しい。特に第2楽章冒頭、オーボエダモーレの切々とした歌、続く弦楽の美しく息の長い旋律にはグッときてしまう。チャイコフスキーやラフマニノフばかりでないロシアの懐深さを知る第一歩としても、カリンニコフのシンフォニーは好適な曲だ。そして冬の夜、しみじみと聴くに相応しい。


第1番の第2楽章。1分36秒過ぎから出るオーボエの抒情的な旋律はいつ聴いてもグッときてしまう。
ちょうど一年ほど前、NHKFM<きらクラ!>のBGM選手権で、中原中也の詩にこの楽章をあてたリスナーがいたのと思い出す。



スヴェトラーノフ&N響による全曲。1993年。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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