アンチェル&チェコフィル ブラームス第1



一月最後の週末土曜日。昨夜から当地北関東平野部では今年三回目の降雪。気温高めで程なくみぞれ、そして雨に変わる。降り出したときは、またかと思ったが、気付いてみれば先週来残っていた日陰の雪まで解けてなくなり、少々拍子抜けの朝を迎えた。 そんな中、昨年秋から預かっている盲導犬パピー絡みのイベントで終日外出。夕方日暮れ前に帰宅。ひと息ついて、ようやくリラックス。三日ぶりにアンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


ancerl_0130.jpg  ancerl_brahms_1.jpg


先日来取り上げているチェコの名匠:カレル・アンチェルとチェコフィルによるブラームスの1番と悲劇的序曲が収められている盤。これも数年前にスプラフォン・ヴィンテージ・シリーズで出た廉価盤の中の1枚。 1962から63年にかけての録音。この盤もだいぶ前に一度記事にしているので再掲。
このところアンチェルを続けて聴き直して思うのだが、彼の基本的姿勢は音楽の骨格をしっかりとらえ、過度な贅肉は付けずにスッキリした造形で曲を進める。その典型は先日記事にした管弦楽名曲集などを聴くとよく分かる。一方で、ブラームスともなるとその基本路線にほどよいロマンティシズムがのる。もちろん贅肉は付かないのだが、音の密度が増し重量感が加わってくる。この盤の第1番も同様だ。

第1楽章の序奏から悠然としたテンポで曲は始まる。彼のイメージからするともう少し速いテンポを予想するが見事に裏切られ、重厚なドイツ本流の音楽が流れてくる。ティンパニーの51打目で序奏が終わると、音楽は木管群に受け渡される。最初に出るオーボエ、続くフルート、いずれもしみじみとして味わい深い。主部に入ってもテンポは遅めで堂々たる歩む。しかも各パートの入りのアインザッツが明確で縦の線も遅れずにビシッと合っているため、緊張感が保持される。第2楽章ではチェコフィルの弦楽群が美しく歌う。終楽章も第1楽章と同様の印象だ。終楽章ではテンポこそ中庸だが、各楽器群の明確な描き分けもあって重戦車が団子状態で突き進むという、この曲にありがちな印象は皆無。キリッと引き締まった造形で進み、中盤からややテンポを上げて次第に高揚感を煽っていく。コーダに入って終わりまでの1分間はいつ聴いても高ぶる音楽だ。アンチェルとチェコフィルは緊張感を保ち続けて最後の和音が鳴らし切る。併録されている悲劇的序曲も文句無しの出来栄えだ。もちろんこの曲自体の素晴らしさに感動するが、ここでも各パートのフレーズが明確に描き出され、ブラームス流の古典回帰とロマンティシズムの融合が見事だ。


この盤に収められている『悲劇的序曲』の音源を貼っておく。 素晴らしい!



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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