テンシュテット&ロンドンフィル ライヴ集


先日のケンペ&BBC響による盤で思い出し、やはり同じBBCの放送音源からリリースされたこんな盤を取り出した。


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BBCが関わったライヴ音源を集めた『ポートレイト・オブ・ア・レジェンド』シリーズ、その中のテンシュテットの4枚組セット。数年前にタワーレコードで叩き売られていた際に買い求めた(かなり前に一度記事にしているので再掲)。
HMVのサイトには『魂の巨匠テンシュテット再評価の機運を決定づけた壮絶ライヴ集完全限定盤』と、中々派手な宣伝文句が書かれていた。収録曲は以下の通り。いずれもオケは当時の手兵ロンドンフィル。ロイヤルフェスティバルホールでのライヴ録音。

CD-1:
・ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱つき』
 マリアンネ・ヘガンデル(S)アルフレダ・ホジソン(A)ロバート・ティアー(T)グウィン・ハウエル(Bs)
 1985年9月13日
CD-2:
・スメタナ:歌劇『売られた花嫁』序曲
・ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調Op.88
・ヤナーチェク:シンフォニエッタ
 1991年4月2日
CD-3:
(1) ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
(2) ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
 1989年11月22日(1) 1983年4月7日(2)
CD-4:
(1) ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
(2) シューベルト:交響曲第9番ハ長調『ザ・グレイト』
(3) ブラームス:悲劇的序曲Op.81
 1984年10月7日(1) 1983年4月7日(2)(3)

きょうはこのうち2枚目のオールスラヴプログラムを聴いた。
<魂の巨匠>といううたい文句さもありなんという演奏。車の貧弱なオーディオで聴いていても一音一音にエネルギーが満ちていてのが分かる。スメタナの冒頭、ざわざわと弦がうごめきながら次第に形を成してトゥッティを確立する様はこの曲の醍醐味の一つだが、そのざわざわ感がこの演奏で聴くと、内なるエネルギーの膨張をテンシュテットが抑えつつ、それでも漏れ出す熱情に押されるようにして吹き出す…そんな風に聴こえる。主部で出てくるスラヴ舞曲風のアクセントも民衆達が喜び勇んで飛び上がるような活気に満ちている。

ドヴォルザーク8番の冒頭、主題を奏でるチェロのカンタービレをやや遅いテンポで控え目に始めるが、主部に入るとテンポを上げ、抑えがたい勢いとエネルギーに押されて終始一貫パワフルだ。展開部では低弦群や打楽器のアクセント、ホルンの強奏が続く。第2楽章は遅めのテンポと全体にどっしりとした音響バランスで極めてドイツ的な響き。よく知られる第3楽章は意外にもサラッと歌いぬく。第4楽章は第1楽章に回帰したように速めのテンポで、エネルギーと緊張をキープしながら前へ前へと進む。例の「コガネムシは金持ちだ」のモチーフのあと、クロマティックに下降するフレーズを聴くと、この曲を初めて聴いた高校時代を思い出す。曲名もきちんと覚えていなかったのに、このフレーズだけが頭に残ったものだ。コーダは一気加勢のアチェルランドで熱気と共に突き抜けるように最後のコードを鳴らして終わる。
ヤナーチェクはドヴォルザークよりも整然とした響きが印象的だ。金管群を増強した大編成のオケを余裕をもって鳴らしている。もちろんテンシュテットの手腕もあるだろうが、きっとヤナーチェックのスコアがよく出来ているに違いない。この曲の持つ素朴なエネルギーと近代的な響きとがほどよくミックスしていて、見通しのよい響きが楽しめる。テンシュテットのこの4枚組セットは、ライヴで本領を発揮したテンシュテットの音を記録した貴重な盤。ベートーヴェン第9や第7も名演の誉れ高い。


数年前、村上春樹の小説で思いもかけず脚光を浴びた<シンフォニエッタ>の全曲。簡単な検索ではこの盤の音源は見当たらなかったので、シュトゥットガルト放送交響楽団をユカ=ペッカ・サラステが振ったライヴの映像を貼っておく。


何度聴いてもテンシュテットの<リエンツィ>は素晴らしい。1988年サントリーホールでのライヴ。
冒頭、トランペットのロングトーンを受け、1分過ぎから低弦群動き出し、1分40秒で調性が確立してヴァイオリン群がテーマを奏する。ゾクッとくる瞬間だ。3分前後から次第に音楽は緊張を帯ながら盛り上がり、3分45秒に全奏でテーマを奏でる。終始テンシュテットの深い呼吸が素晴らしい。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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