バッハ カンタータ<いざ罪に抗すべし>BWV54
きょうは2月28日日曜は復活節前第4主日(四旬節第3主日)にあたり、バッハのカンタータではBWV54<Widerstehe doch der Sünde:いざ罪に抗すべし>が当てられていると知り、それではと、例によってブリリアント盤のボックスセットを取り出した。

編成はアルト独唱とヴァイオリン・ヴィオラがそれぞれ2パート。それに通奏低音が加わる。曲はレシタチーヴォをはさんだ3曲からなり、全曲通しても12、3分ほどの曲。しかし、曲の規模に反して、その中身は十二分に濃く、充実している。テキスト通り、俗な罪と欲を戒めるかのように第1曲の冒頭から印象的な不協和音(属七)で始まり、その後も意表をつく転調や二度のぶつかり合いが頻繁に現われるなど、こちら側の耳と心の応答が追いつかないほどだ。ヴィヴァルディ四季の冬に似たこの冒頭のフレーズは第1曲全体を通じて奏され、一度聴いたら忘れないだろう。レシタチーヴォをはさんだ第3曲はテンポを上げて4声のフーガが展開される。3分足らずの曲だが半音階進行を伴う充実したフーガで、アルトパートも独立した声部が与えられ、他の器楽声部と対等に扱われているようだ。
ブリリアント盤の演奏は、この盤お馴染みのネーデルランド・バッハ・コレギウムという団体で、現代のメジャーな古楽団体と比べると、細かな技量や洗練さでは及ばないが、録音を含めた響きは美しく、素朴で日常的なバッハ演奏として十分楽しめる。
ポーランドの古楽団体による音源。カウンターテナーの歌唱。冒頭からなかなかアグレッシブな演奏だ。
冒頭の特徴的な和声ゆえか、グールドがこの曲を取り上げている。こういう曲でも彼は暗譜で弾いている。
楽譜付きの音源。
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