オークレール(Vn)のチャイコフスキー



朝のうち陽が射していたが、次第に雲が出てきて、どんよりとした花曇りの一日。これといって用事もなかったが、ギターを取り出して弾く気分にもなれず、所在無く過ごす。夕方近くなって、アンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


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ミシェル・オークレール(1924-2005)の弾くチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。昔から名盤の誉れ高い盤で70年代には廉価盤で出ていたが、LP初期盤などはプレミア価格の盤。手持ちの盤は十年程前に出た廉価盤CDで、お約束の通りメンデルスゾーンとのカップリング。ロベルト・ワグナー指揮インスブルック交響楽団のバック。1963年録音。この盤も以前一度記事にしている。

フランス流儀といえばいいのだろうか、第1楽章冒頭から繊細さといい意味での軽みのある演奏。濃厚なロシアン・ロマンティシズムとは無縁の弾きぶりだ。やや速めのテンポでフレーズは粘らずに歌う。第2楽章も弱音効果をよく効かしながらあっさりと弾き進めるが音色はきわめて美しい。第3楽章は速めのテンポで、切れのいい技巧もみせて颯爽としている。この盤を聴くとチャイコフスキーのこの曲もロシア風ばかりでない、高貴で薫り高い曲だと再認識する。

この録音のあとまもなく、手の故障から引退してしまったことが悔やまれる。70年から90年代までしばしば来日して桐朋でマスタークラスを開いていたが2005年に亡くなっている。


オークレールが二十代の1950年モノラル録音。米レミントン盤での演奏。クルト・ヴォス指揮オーストリア響。第1楽章冒頭。



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No title

 いつも興味深い記事、ありがとうございます。確かフォンタナから出ていた1000円のLP。手放してしまいましたが、オークレールのメンデルスゾーンのコンチェルトは、チャーミングな歌い回しでいっぺんに好きになったものです。また聴きたく思いました。
 トゥリーナは、私はピアノ三重奏曲のLPしか所有していませんが、こうした室内楽には、スペインの民族色豊かな中にもロマン的な味わいがあり、ギター曲とはまた違った趣で、好きです。ヴァイオリンとピアノのための音楽はまだ聴いていません。買ってみようかな。

Re: No title

バルビさん、こんばんは。
懐かしのフォンタナレーベルですね。どこかの中古レコード店の100円コーナーに今も眠っていそうです(^^
オークレールの盤は他にブラームスの協奏曲もありましたね。聞き馴染みのなかったインスブルック響のバック。現在はモーツァルト、メン&チャイ、ブラームスを集めた3枚組CDが入手しやすいようです。
トゥリーナは結構な数の室内楽を書いていますね。私はほとんど聴いていませんが…。またいろいろ教えてください。

No title

こんにちは

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲というと始めて買ったのがオークレール盤
廉価盤ではなくて17㎝のEP盤でした
もちろん演奏の好き嫌いなどあるはずもない頃だったので安いが故の選択でした

歳のせいか脂ぎった濃厚なものより、こんなエレガントなものが好みになりました
手の故障で引退を余儀なくされたとは残念という他ありませんね

Re: No title

パスピエさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
若くして現役を退いてしまったオークレール。存命であれば、昨今の切れ味優先の技巧派とは異なる、薫り高い演奏を続けてくれたことと思います。本当に残念だと思います。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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