五嶋みどり・今井信子・エッシェンバッハ モーツァルト協奏交響曲



きのうの記事に書いたコリン・デイヴィスのシューベルト他、このところCBSソニー扱いのボックスセットは低廉かつ魅力的なラインナップで触手が動く。中でも五嶋みどりのアルバムから10枚をセレクトしたセット(写真右)は魅力的だ。10枚中すでに手持ちのものもあるが、レギュラープライスCD1枚分でこれだけ揃うなら、多少のダブりは承知でポチッてしまおうかと思うほどだ。そんなことを考えつつ、しばらくぶりにこの盤を取り出した。


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モーツァルトの傑作の一つといえるヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲。五嶋みどりと今井信子がソロをとり、クリストフ・エッシェンバッハ指揮の北ドイツ放送交響楽団(NDR響)がバックをつとめている。

二人の奏する名工グァルネリ作のヴァイオリンとヴィオラの音色がともかく美しい。五嶋みどりのヴァイオリンはいつもながら音程が完璧、かつボーイングも均一で安定していて、あまりに正確過ぎて一聴すると線が細いと感じるほどだ。今井信子のヴィオラもさすがに世界のトップ。五嶋みどりに劣らず正確なピッチで、滑らかで暖かいヴィオラの音が堪能できる。今井信子はこの曲を弾くに当たって、楽譜の指定に従い調弦を半音上げたスコルダトゥーラで演奏している。これによって、原調の変ホ長調がヴァイオリン族でも最も弾きやすく音の出やすいニ長調で記譜されることになる。事実ヴィオラの発する音も張りのある音色で、ヴァイオリンとの「対比」というより「調和」を感じさせる。次々と繰り出される第1楽章の美しいメロディー、第2楽章のほの暗い悲歌、第3楽章の軽やかな運び、いずれも世界のトップをいく二人が余裕をもって会話をしながら音楽を楽しんでいる様が目に浮かぶような演奏だ。

この盤で聴くエッシェンバッハ指揮のNDR響もドイツの伝統あるオーケストラの実力を感じさせる安定した響きと落ち着いた渋い音色で、二人の独奏者を引き立てながらも、この曲が単なる独奏楽器のための「協奏曲」ではなく、オケと独奏楽器とが一体になって曲を運ぶ「協奏交響曲」であることを十分に分からせてくれる。録音も二人の独奏をクリアかつ比較的近い距離感での録られていながら、全体のとしてのまとまりにも優れていて、オケの音色共々過不足のない極上の録音だ。


この盤の音源。第1楽章。


同第2楽章。https://youtu.be/xOOftaGcsOs
同第3楽章。https://youtu.be/Uq1JtYHOC4o

モーツァルト作曲VnとVcのためのドッペル?!
ヨーヨーマがヴィオラパートを弾いている演奏。アイザック・スターンのヴァイオリン。



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この演奏私も大変好感がもてて聴いています。今井信子さんバイオリンをたてているようで実は自分のペースに取り込んでいるそんな懐の深が感じられますね。

Re: タイトルなし

リベルテさん、こんばんは。
この曲、長らくベーム&VPO盤で聴き親しんできたのですが、この演奏を聴いたとき、なんと清々としたモダンな演奏なのかと思いました。五嶋みどりの個性を今井信子が大人のサポート…という感じですね。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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