ブロムシュテット&SKD ブルックナー第7番



連休最初の三連休が終わった。先日の記事で久々に演奏動画をアップしたが、きのうきょうと、続編に手を付ける間がなく終了。いずれまたということにして、今夜は久しぶりに大曲をじっくり聴こうかと、こんな盤を取り出した。


R0012078.jpg   Blomstedt.jpg


ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツ・カペレ・ドレスデン:SKDによるブルックナー交響曲第7番。1980年、お馴染みドレスデン・ルカ教会での録音。手持ちの盤は2000年代になって日本コロンビアより廉価盤シリーズ<クレスト1000>として出たときのもの。現在はBlu-spec CDになって継続リリースされている。
今更ながら、ブロムシュテットは好きな指揮者の一人。80年代N響客演時代にはよくテレビでその姿をみた。颯爽としていて、妙に深刻にならず整然と音楽を進めるが、ときの熱い一面も見せる指揮者だ。いつだったかN響を振ったチャイコフスキーの5番は名演だった。このブルックナーの録音は発売当時からSKDの優れたアンサンブル能力と魅力的な音色、ブロムシュテットの奇をてらわない正統的な解釈、そしてそれらをよく捉えた日本コロンビアによるデジタル録音という評価が定着している。一方で、朝比奈隆やマタチッチなどの録音に比べスケール感や味わいに乏しいという意見もあった。そんなことを思い起こしつつ久々に聴いてみたのだが、やはりこれは長く聴きつがれるべき録音だとあらためて感心した。

まず冒頭、弦楽セクションによる息の長い主題からして、その透明感あふれる響きに魅了される。SKDの弦楽セクションはピッチがよく揃い、ボーイングも過度に深くなくヴィブラートも控えめ、加えてブロムシュテットの指示だろうがフレージングの呼吸が極めて自然体だ。マタチッチ&チェコフィルによる名盤の圧倒的なスケール感や深い呼吸はもちろん魅力的だが、ブロムシュテット&SKDのこの響きも唯一無二ではないか。オルガンの音響をイメージして作られているブルックナーの交響曲において響きの透明感はとても重要だ。各楽器間の音量バランス、ピッチ、音出しタイミングなど、うまくコントロールしないと団子状態の重苦しいだけの響きになりかねない。むしろ少々軽量級ではないかと思わせるくらいの音響イメージの方が本来はブルックナーの意図に相応しいのかもしれない。もちろんこの演奏が軽量級というわけではない。余裕を持ってコントロールされた音響といった方が適当だ。そうした特徴は第1楽章の主部や第2楽章など、いかにもブルックナー的な響きが次々と繰り出される段になると益々生きてくる。第3楽章のスケルツォの推進力も文句なしだ。

ブロムシュテットはその後1998年から2005年までライプツィッヒ・ゲヴァントハウスのシェフになり、ブルックナーを再録することになる。残念ながらゲヴァントハウス時代の盤を持ち合わせていないが、ブルックナー以外、ブラームスやメンデルスゾーンの評判も高い。機会があれば聴いてみたいと思っている。


この盤の音源。全楽章。


この盤の録音当時、1981年にSKDと来日した際のライヴ。ブルックナーの第4番スケルツォ楽章。SKD黄金期。ホルンにペーター・ダム、ティンパ二にはゾンダーマン。


フルトヴェングラー亡きあと、ベルリンフィル後継シェフの最有力と目されていたチェリビダッケ。しかし現実にはかの帝王が…。そのチェリビダッケが38年ぶりにベルリンフィルを振った1992年の歴史的ライヴ。演奏は30分過ぎから。演奏先立ち、当時ののヴァイツゼッカー大統領の話が流れる。



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No title

ブロムシュテットの7番はブルックナー好きにしてくれた思い出の一枚です
当時は2枚組のLPで各楽章が一面ずつにカッティングされたものでした。

ブロムシュテットの来日公演は上野文化会館で聴きました(1981年7月7日)
演目はモーツァルトの「ジュピター」とベートーヴェンの「英雄」
アンコールは「オベロン序曲」というオーソドックスなものでした
もう一つのプログラムは「未完成」と「ロマンティック」
当時はどちらにしようかと迷うことはなかったです(^^ゞ

あの演奏会からもう35年も経ったのかと呆然としています

Re: No title

ブロムシュテット&SKDの往時の演奏を体験されているのですね。それは素晴らしい!
当時私は、ブルックナーもベートーヴェン、ブラームスも重厚長大路線ばかり追い求め、ブロムシュテットの真価には気付いていませんでした。今となっては不明を恥じるばかりです。そう、そんなブロムシュテットも最高齢の長老組の一人になりましたね。こちらの人生もあっという間です(^^;

LPだと2枚組でもCDだと1枚ですむという

情けない理由で、若い頃にDENONの正規盤CDを購入したほうです(^o^;)>
これがきっかけで、ブルックナーの音楽に親しむようになりました。ブロムシュテットとドレスデン・シュターツカペレの演奏が、また良かった~。すっかりお気に入りCDになりました。当時、N響にもずいぶん客演していましたので、ブラームスの1番の交響曲などの名演奏に接することができました。後に、鶴我裕子さんの本などで、あまりユーモアを解さないタイプ(「Don't laugh!」)と知って、ちょいと熱が下がりましたが(^o^)/
でも、いい演奏、録音ですね。今も愛聴盤です。

Re: LPだと2枚組でもCDだと1枚ですむという

私がブロムシュテットの良さに気付いたのはかなりあとになってから。見る目がなかったというべきですが、ブロムシュテットが頭角を現し始めた頃といえば、まだカラヤン、ベーム、ヨッフム、バーンスタイン他20世紀後半を牽引した巨匠が目白押しでしたからね。私のブルックナー開眼は二十歳の頃。もっぱらFMエアチェックのお世話になり、レコードではクナッパーツブッシュ、ヨッフム、クレンペラーといった往時の演奏を接していました。80年代後半にCD化の潮流がはっきりとし、LP2枚がCD1枚というのは、CDの恩恵のもっとも大きなものの一つでしたね。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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