只今投売り中! ラトル&VPO ベートーヴェン交響曲全集



先日、都内での仕事の帰りに久々にタワーレコード@ヨドバシAkibaへGo! CDは買わないよ、もうお腹一杯だしね、そもそも手元の未聴盤をまず聴かないと…などとつぶやきながら、気のない素振りで店内をウロウロ。作曲家順で並べられている棚をざっと見回し、さて手ぶらで引き上げようかとUターンしたとき、棚からこちらを見つめるジャケットが…。サイモン・ラトル指揮ウィーンフィルによるベートーヴェン交響曲全集のボックスセット。ああ、あれね…と一度は思ったのだが、何だか赤札のポップが目に付き、手に取ってみると、なんと2000円の値札が。今はときめくラトルが名門ウィーンフィルを振った5枚組みライヴ盤全集が、たったの二千円、どうです奥さん!


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…というわけで、奥さんではないのだが、そそくさとレジに持参し、お持ち帰りとなった。
2002年の4月から5月にかけ、ウィーンフィルの本拠地ムジークフェラインでライヴ録音されたもの。元々EMIから出ていたものだが、2013年EMIの身売りに伴い、ジャケットにはEMIに代わってWARNER CLASSICSのロゴが入っている。折りしもラトルとベルリンフィルによるベートーヴェンの交響曲全集が数日前にリリースされたばかりというタイミング。それへの対抗もあるのか、破格の値付けだ。このラトル&VPO盤はライヴとして短期間にまとめて録られたこと、またベーレンライター版が使われたことなどが話題になった盤で、例の石原俊著のオーディオ本でも、同著発売当時(2005年)のベートーヴェン演奏の一つの形として、またオーディオ的リファレンスとして取り上げられていたもので、ムジークフェラインの音響を生かした高音質でも評価されていた盤だ。値段はともなく、日頃古めの録音ばかり聴いていて、たまには時流にのるものいいかなあと思っていたこともあって手に入れた。手元にあるベートーヴェン交響曲全集はかるく十種を超えるが、もっとも新しいのがジンマン&チューリッヒトーンハレ盤(1997-98年録音)高関&群馬交響楽団盤(1995年録音)あたりで、21世紀の録音は今回が初めてになる。

ここ数日の間に第1番、第3番、第9番と聴いてみた。最近の潮流を示すような新しい録音に接した経験が少なく、ラトルの熱心なファンでもなく、ましてやいうまでもなく音楽の専門家でもない分際でアレコレ語る資格などないのだが、ひと言でいえば、やはり面白い演奏だ。リリース当時、賛否両論大いに物議をかもしたのもうなづける。ウィーンフィルは極上の音響、ライヴのハンディキャップを感じさえない録音と仕上がり、そして何よりラトルの仕掛けがあちこちで新鮮な響きをもたらし、まったく飽きさせない。たまたま聴いた第1、第3、第9と、オケの編成を小、中、大と変化させているようで、編成のよる違いをより生かす解釈がなされている。第1番はもっとも響きが軽く、ノンヴィブラート、短めのフレージングといったピリオドスタイルの導入が顕著かつ効果的に現われている。一方第9番は、ずっと響きが豊かになり、テンポや全体の音響も従来型の伝統的なベートーヴェン演奏の音響に近い。三曲ともテンポ設定やフレージングなど、同じくベーレンライター版を使ったとされるジンマン&チューリッヒトーンハレ版に比べ違和感が少ない。テンポ設定やリズムの処理、緩急や各パートの出入りなど、やはりすべてはラトルの解釈のなせるわざで、そのいずれも、少なくともぼくにはナチュラルに聴こえ、大いに楽しんだ。



ベルリンフィルとの第1番:第1楽章さわり。2015年10月。BPOデジタルコンサートホールのPV。


取り上げた盤。ウィーンフィルとの第3番<英雄>:第1楽章。力強い推進力とキレがありながら、しなやかにして軽快。なかなかイイ!


同じく第9番:第1楽章。比較的オーソドクスな解釈と音響。この曲に関して、第4楽章で声楽が入ってからが、独唱、合唱とも賛否分かれるところだろう。



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二千円

こんばんは

思わず、売り声も甲高くなりそうなお値段ですね^^
うちはEMIの頃買って、それでもお徳と思いましたが;
ウィーン・フィルがピリオド奏法を・・時代の流れを感じます。
近年、サヴァリッシュが振ったウィーン響のライヴ盤のほうが、
ウィーン伝統の奏法が濃厚に聴けました。

Re: 二千円

レーベル変更に伴って、EMIの名盤が次々にワーナーレーベルで再発されるのかめしれません。先日手に入れたケンペのリヒャルト・シュトラウスもその一環かと。
世界中のオケがグローバル化して、技術的にはどこも上手くなりましたが、ローカル色はなくなりましたね。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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