ケンペ&SKDの<金と銀>



早いもので五月も下旬。季節は初夏。梅雨入りまでにはまだ少し間があるが、じわじわと気温、湿度とも上昇中だ。さて本日火曜日も鋭意業務に精励。8時少し前に帰宅した。このところ少々シリアスに音楽を聴いていたので、今夜はちょいと箸休め。こんな盤を取り出した。


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先日の記事で紹介したルドルフ・ケンペ。そのケンペがSKDを振った有名なウィンナワルツ集。1972年暮れから翌年の年明けにかけての録音。ブックレット表紙にも小さく記されている通り、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団;シュターツ・カペレ・ドレスデン(SKD)の創立425年を記念して作られた盤だ。いくつもの名録音を生んだドレスデン聖ルカ教会での録音。手持ちの盤はコロンビアの廉価盤シリーズ;クレスト1000の中の1枚だが、最近も別のシリーズで出ている。収録曲は以下の通り。

 1. J・シュトラウス2世:《こうもり》序曲
 2. J・シュトラウス2世:ワルツ《ウィーンの森の物語》
 3. ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ《天体の音楽》
 4. スッペ:《ウィーンの朝・昼・晩》序曲
 5. レハール:ワルツ《金と銀》
 6. J・シュトラウス2世:ポルカ《浮気心》

さすがに四百年余の伝統を誇る名門SKD。実に上手い。この盤の原題<Galaconcert>に相応しい幕開けの曲<こうもり>の冒頭、弦楽群の速いパッセージや付点音符のアンサンブルがピタリと揃い気持ちがいい。以降お馴染みのウィンナワルツが並ぶが、いずれも整ったアンサンブルとやや速めのテンポで颯爽とした演奏。ロベルト・シュトルツ盤が濃厚甘口とすれば、こちらは淡麗辛口といった風情だ。しかし薄味ではなく、<ウィーンの森の物語>の中間部、短調に転じて出るオーボエソロとそれに続くチェロのメロディーなど、楚々としながらもテンポをぐっと落として十分に歌わせる。全体が速めのテンポなので、この落差がより効果的で、聴く側の気分もパッとギアチェンジされる。現役時代のケンペはどちらかというと万事中庸をいく指揮者と言われていたが、没後に出てきたライヴ録音などから「燃えるケンペ」の側面も知られるようになった。この盤を聴くと、曲が曲なので「燃える」というものではないが、ライヴ感にあふれ、聴かせどころを心得た巧者だとよくわかる。

レハール<金と銀>が格調高い演奏で聴けるのもうれしい。リズミックな序奏のあと、弦のユニゾンでゆったりと出るメロディーはいつ聴いても美しく、どこか懐かしい。<金と銀>やこの盤にはないがワルトトイフェルの<スケーターズワルツ>やイヴァノヴィッチの<ドナウ川のさざなみ>などは、おそらく小学生の頃、音楽の時間にでも聴いただろうし、当時昭和40年代にはラジオやテレビでホームミュージックとしてよく流れていた。その頃の音が脳内のどこかにインプットされているに違いない。シュトラウスの華やかなウィンナワルツに比べ、少し陰りのある曲想がまた味わい深い。


この盤の音源で<金と銀>



濃厚甘口。コクのある演奏と聴かせるロベルト・シュトルツ&ベルリン交響楽団の<金と銀>
チャーミングな序奏のあと1分25秒から弦のユニゾンで主題が奏される。1分50秒過ぎから一旦ディミヌエンドして2分過ぎから主題を繰り返す。繰り返しでは弦パートは弱音で奏され、ハープのオブリガードが浮き出てくる。3分7秒からトリオ風に転調。ヴァイオリンが高音域で優しさに満ちたフレーズを奏で、3分20秒で哀切に満ちた短調となる。3分32秒、短調から一音で再び長調に戻る素晴らしさ。4分10秒から第2ワルツへ。4分17秒からのテーマでシュトルツはテンポをぐっと落としている。4分54秒からの転調で更にテンポダウン。木管群が前打音付きの刻みでワルツの裏拍を際立たせている。5分32秒からの繰り返しでは一層その演出を強調する。その後経過句を経て、6分35秒から第1ワルツが回顧される。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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