セルシェルのバッハ



朝からどしゃ降りになった週明け月曜日。この時期用の雨対策コーデで出勤。どうやら断続的に降り続いたようだが、夕刻退勤時刻にはほぼ上がって穏やかな梅雨空に戻っていた。帰宅後、ひと息付いて音盤タイム。ちょっと久しぶりにギターの盤を取り出した。


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イョラン・セルシェル(1955-)が1978年のパリ国際コンクールで第1位になってデヴューし人気を博した70年代の終わりから80年代入る頃はちょうどぼくも社会人になった時期で、まだまだ学生気分でギターを弾いていた。しかしその後仕事に追われギターからも距離をおくようになった。ほぼ20年ぶりでギターに復帰してみたら、新人だったセルシェルもバルエコも、そしてもちろん自分もすっかりオジサンになっていたというわけだ。

久々に針を下ろしたセルシェルのバッハ演奏の盤。この盤にはフーガト短調BWV1000とプレリュード・フーガ・アレグロ変ホ長調BWV998が収録されている。かつての印象そのままで、実に端整な演奏だ。11弦ギターの特性もあってバッハのポリフォニックな音楽を存分に楽しめる。当時まだまだメジャーだったスパニッシュでラテン的なクラシックギターの独自の音楽表現とは隔絶していて、いわゆるギター的な表現や音色感ではなく、器楽としてきわめて普遍的な演奏を繰り広げている。こうした演奏なら他の楽器を弾く人が聴いても違和感はまったくないだろう。具体的には、安定したテンポとしっかりした拍節感、ギター特有のスラーやポジショニングの排除、均一な音色…そうした要素が奏功しているわけだ。
B面にはソルのモルソー・ド・コンセール作品54とソナタハ長調作品15が入っている。特に作品54はあまり聴く機会がない曲だ。作品15は明るく古典的なフレーズに満ちた単楽章のソナタ。これらは通常の6弦ギター(ジャケット写真からみるとホセ・ラミレス3世)による演奏で、聴き親しんだクラシックギターの世界ではあるが、セルシェルはここでも普遍的かつ安定した古典的な様式感にのった音楽を展開していて素晴らしい。


この盤に入っていないBWV997 <プレリュード・フーガ・サラバンド・ジーグ/ドゥーブル>


リヒテルの弾くBWV998 <プレリュード・フーガ・アレグロ>



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BWV998は大学の卒業リサイタルで弾きました。(弾かされた、と言うべきか?)アレグロに苦しめられた記憶があります。その頃からBWV1000に対しては憧れがありましたが998は聞いたことが無かったせいもあって弾かされた感が強かったです。先生が1000を弾かせてくれてれば練習にもっとやる気が出たと思うけど。自分の卒業リサイタルなのに自分が好きな曲はあんまり弾かせてもらえなくて残念だったなぁ。

Re: タイトルなし

998弾いたのですね。それは素晴らしい! 私は今バッハの曲で好きな曲を弾けるようにしてやるぞ、と神様に言われたら、998は第一候補です。う~ん、確かに終曲アレグロはギターで弾くと難易度高いですよね。鍵盤楽器ならたやすそうだけど…
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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