テッサ・ソーター



なんとなく気だるい梅雨寒の宵。少々ゆるめのジャズをと、こんな盤を取り出した。


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元ジャーナリストという異例のキャリアを持つ、NY在住の英国人女性ヴォーカリスト;テッサ・ソーターのアルバム(こちらで試聴も)。90年代には英国版のヴォーグやザ・タイムなどのジャーナリストとして活躍。90年代後半に長年の夢であったジャズシンガーへの道を本格的に歩み出したと資料にある。この盤では、ジョニー・マンデル、セルジオ・メンデス、バカラック、マンシーニ、更にジョン・レノンのナンバーなど、様々な時代のスタンダードをゆったりと歌っている。ボサノヴァアレンジのものも多く、何とはなしに夏の宵に相応しいアルバムだ。随分前のこの時期に一度記事に書いている。収録曲は以下の通り。

1. アイランド
2. クロース・イナフ・フォー・ラブ
3. ムーンダンス
4. ソー・メニー・スターズ
5. ザ・ルック・オブ・ラブ
6. 007は二度死ぬ
7. キー・ラーゴ
8. スロー・ホット・ウィンド
9. ムーン・アンド・サンド
10. アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー
11. オール・オア・ナシング・アット・オール
12. カーニバルの朝
13. イマジン

声質は落ち着いていて、表現も穏やか。アルバムのコンセプトかもしれないが、紛れもなく大人の雰囲気だ。といっても、ジャス好きオヤジ向けに媚びたお色気路線ではなく、抑制された知的な雰囲気で、これはこれで中々クールだ。バックはNYの一流スタジオミュージシャンが固めている。ジャンルは違うが同じギター弾きとしては、センスのいいリフを繰り出すホメロ・ルボンボのアコースティック・ギターに耳がいく。ライナーノーツの写真をみると、どこにでもいそうなオジサンだが、ギター持たせたら凄いんだぜ、といった風情か。同じ英国人女性ヴォーカリストということでは、手元にステイシー・ケントのアルバムがある。声質はまったく違うが、何となく漂う雰囲気に共通点を感じる。

エネルギッシュでテクニカルなアメリカ大姐御的ヴォーカリストやハリウッド女優並の美形ヴォーカリストも楽しい。またぼく自身は、ジャズ歌手を名乗るからにはアップテンポのフォービートをきっちり歌ってほしいと思っていて、このアルバムのようにミディアムテンポ以下のチューンばかりだと、正直なところ今一つ不満が残るのも事実だ。しかし、ヨーロッパ、それも英国や北欧など、北ヨーロッパの抑制が効いた女性ヴォーカルもジャズヴォーカルの楽しみの一つとして、ときにはその世界に浸るのも悪くないだろう。


この盤の<オール・オア・ナシング・アット・オール>


ドビュッシーの<夢>。2012年に出た<ビヨンド・ザ・ブルー>というアルバムに収録されている。このアルバムではクラシックの名曲をアレンジして歌っている。


ドビュッシーの原曲(…のチェロアレンジですね)



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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