フローベルガー<チェンバロ名曲集>



山の日をはさんで本日は出勤。すでに立秋を過ぎたからというわけではないだろうが、関東地方はきのうきょうと朝夕の風が幾分涼やかだ。西日本は大そうな夏さのようで、以前頻繁に大阪出張を繰り返していた頃、あさ東京駅を出て昼少し前に新大阪のホームに降り立ったときの、あのムッとする暑さを思い出す。 さて、あすの休みを前に今夜はノンビリ。二日ぶりにアンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


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先年亡くなったオランダのチェンバロ奏者;グスタフ・レオンハルト(1928-2012)がドイツ・バロックの雄;ヨハン・ヤーコブ・フローベルガーのチェンバロ曲を弾いたLP。1962年独ハルモニアムンデの録音。数年前、出張帰りに大阪梅田の中古レコード店で買い求めた記憶がある。以前も記事にした盤だが、しみじみいい盤だなあと、ときどき聴きたくなる。

フローベルガーは同時期に活躍したブクステフーデやハッヘルベルと共に17世紀後半バッハ登場前夜のドイツ・バロック期を代表する作曲家。この盤には彼のチェンバロ曲から組曲3曲の他、トッカータやファンタジアなどが数曲収められている。中でも組曲は聴き応え十分だ。すでにフランスで流行っていた舞曲形式の組曲から、アルマンド~クーラント~サラバンド~ジーグを基本構成として30曲の組曲を残したと高野紀子女史がライナーノーツに書いている。この盤に収録されているのは第1番、12番、15番の3曲。作曲時期に違いはあるが、いすれも哀歌を思わせる旋律に豊かな和声と装飾句が絡み、美しい。名手レオンハルトの演奏を云々できるほどチェンバロや当時の演奏様式の知識を持ち合わせないが、多分耳に届く印象的な装飾音のうち相当数を即興で弾いているものと思う。当時はオルガンやチャンバロ奏者、また隆盛期を過ぎつつあったリュート奏者も、即興演奏や自在な装飾音を我がものにしようと研究し努力していたのだろう。

この時代のチャンバロ曲はリュートやギターで弾いても曲によってはいい味わいになる。実際フローベルガーも旅先でゴーティエに代表されるリュート音楽に接していたと記録にもあるようだ。


こちらはYouTubeにあったリュートによる演奏。かつて10コースのルネッサンスリュートを所有していたが、ものにならずに手放した。こういう演奏を聴くとまた弾いてみたくなる。


この盤の音源。組曲15番イ短調。


こちらはモダンギターを使った演奏。弾き手はイタリアの名手;ステファノ・グロンドーナ。
グロンドーナはフローベルガーの曲をいくつか録音している。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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