R・シュトラウス 二重小協奏曲ヘ長調



きょうの関東地方は昼前後からあちこちで激しい雷雨。太平洋高気圧の甲斐性が足らないためか、どうも今年は夏型が安定しない。あすもきょう同様の不安定な空模様らしい。 さて、きのうの記事に続いて、今夜もまたまたリヒャルト・シュトラウスを。


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先日来取り上げている、ルドルフ・ケンペ(1910-1976)指揮ドレスデン国立歌劇場管(SKD)によるリヒャルト・シュトラウス管弦楽全曲集ボックスセットの中の8枚目から、今夜はクラリネットとファゴットのための二重小協奏曲ヘ長調を聴く。正しくは<弦楽オーケストラとハープを伴ったクラリネットとファゴットのための二重小協奏曲>。マンフレート・ヴァイスのクラリネット 、ウォルフガング・リープシャーのファゴット。1975年録音。

この作品は昨日の記事で取り上げたオーボエ協奏曲同様、モーツァルト回帰がより色濃くなったR・シュトラウス最晩年の作品。1946年作のオーボエ協奏曲より更に一年後の1947年に作られた。編成が変わっていて、ソロをとるクラリネットとファゴット、弦楽五部にハープが加わり、さらに弦楽五重奏が指定されている。構成は古典協奏曲の定石にのっとった急・緩・急の三楽章が切れ目なく演奏される。

第一楽章の短い導入部。始まってすぐに近代作品とわかる転調を含みながらも、どこかドヴォルザークの室内楽のようなフレーズが響き、クラリネットが穏やかなモチーフを奏する。ファゴットが入るあたりから音楽は活気を帯び始めるが、主題とその展開を経てクライマックスという型通りの進行はない。常にクラリネットとファゴットが対話をするかのように曲が進む。この曲が当初標題音楽として構想され、それぞれの独奏楽器にキャラクターを設定しようと考えていたと知り、なるほどと合点。それぞれの楽器の個性もあってか、なにやらヤンチャな子供(クラリネット)と、それをたしなめる大人(ファゴット)という趣きだ。ファゴットが活躍する第二楽章をへて、終楽章は再び対話路線の展開。この楽章はR・シュトラウスの著名な交響詩群でしばしば聴かれるような近代的和声感と、精緻な管弦楽の響きも加わり、単なるモーツァルト回帰でないことを感じることができる。

鮒にはじまり鮒に終わるのごとく、R・シュトラウスの場合はモーツァルトにはじまりモーツァルトに終わるの生涯であったが、18歳のときの作品ホルン協奏曲第1番、そして最晩年のオーボエ協奏曲とこの二重小協奏曲は、この作曲家の個性を知る上でも必聴の作品だ。


ケルン放響(WDR響)による2014年の演奏。


取り上げたケンペ&SKD盤の音源。全楽章。



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インディアン・サマー

こんにちは。
R・シュトラウスの大仰で脂ぎった交響詩はあまり聴く気にならないのですが、
晩年の作品群は大好きです。
オーボエ協奏曲、二重協奏曲、メタモルフォーゼン、四つの最後の歌・・・。
悟りを開いたような独特の境地に心惹かれます。

Re: インディアン・サマー

こんばんは。コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、R・シュトラウス晩年の作品はいずれも心にしみます。もう40年も前のこと、シュトラウスをいいなあと思ったのは<四つの最後の歌>を聴いたときでした。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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