クララ・ハスキル&マルケヴィッチのモーツァルトK.466



先週末から少々遅い夏休みを取得中。きょうは一日在宅でのんびり過ごした。日中は中々に暑く、何もする気にならないというのが実のところ。夜半になってようやくアンプの灯を入れ音盤タイム。こんな盤を取り出した。


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クララ・ハスキル(1895-1960)によるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調と24番ハ短調。バックはイーゴリ・マルケヴィッチ(1912-1983)指揮ラムルー管弦楽団。1960年、ハスキル最晩年の録音。手持ちの盤は80年代初頭に出たフィリップス<Audiofile Collector’s>と称したシリーズの中の一枚。ジャケット上部に金色の帯が入り、3000円のプライスタグが付いている。当時、オーディオブームを反映して、この手のスペシャル盤がいくつかシリーズ化された。この盤がオーディオ的に取り上げたのは少々意外だったが、演奏そのものはそれ以前からハスキルの録音を代表する一枚として評価が高かった。今夜は収録曲のうち第20番ニ短調K.466に針を下ろした。

久々に聴いたのだが、何とも高貴で心洗われる演奏だ。モーツァルトの作品中でも傑作の一つとされる第20番ニ短調。この曲で語られる悲劇的な曲調や激しさから、ともするとそれを力尽くで表現するような演奏もある。とくに鋼鉄製のモダンピアノをブッ叩いて劇的表現を表出するような演奏に出くわすと、それはないだろうと思ってしまう。
ハスキルのピアノはもちろんモダンピアノだが、激しさを力で置き換えるようなところは皆無。フォルテでも音には余裕を残し、響きの透明さが確保される。テンポを大きく動かすところはなく、ほぼインテンポ。そうしたことから音楽全体の品格が高く美しい。この曲のオケパートを注意深く聴いていれば分かる通り、管弦楽は単なる伴奏の域を遥かに越えて各パートには独立した役割が与えられ、ピアノとの有機的な掛け合いに終始する。ピアノを力尽くで弾かずとも、オケパートと互いに聴き合いながら全体を作っていくことで、悲劇性も安息も表現可能なのだと、この演奏が教えてくれる。
マルケヴィッチ指揮ラムルー管のバックも秀逸で、やや控え目な表現がハスキルのピアノと同化する。残響は少なめながらパートバランスや左右の広がり等は良好で、デッカ録音のような派手さはないが、高音質盤としての面目は保っている。


この盤の音源。


ピリオド楽器とフォルテピアノによる演奏。練習の様子に続き、26分40秒過ぎから通しの演奏がある。チャールズ・ハーゼルウッドが指揮するモーツァルトコレクティヴというオケ(実態はエイジ・オブ・エンライトメント?)。フォルテピアノはロナルド・ブラウティハム。BBC製作のドキュメンタリーのようだ。



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No title

ジャケット違いですが同じ組み合わせのLPを大学1年の時、昭和42年に買いました
(私のは20番の総譜付きのもです)
このLPは、ハスキルの演奏がどうのとか、そういう事と違うのですが、私にとって
思い出のLPです

この2曲でモーツァルトの短調の曲の素晴らしさを知り
短調の曲を知ることにより長調の曲の良さが朧気ながら分かった、結果モーツァルトの世界が大きく開けた、そういう意味でです
それまでモーツァルトの曲というとみな同じように聞こえてどこがいいのかさっぱり分からなかったのです

Re: No title

パスピエさん、こんばんは。
昭和40年代のLPには総譜付きの盤がいくつかありましたね。私の手元にはイ・ムジチの四季があるかな。
私も学生時代にこの曲そして24番、さらに交響曲や室内楽も、短調モーツァルトの魅力・魔力に取りつかれ、その辺りの好みは現在も変わっていません(^^;
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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