ウェス・モンゴメリー<A DAY IN THE LIFE>


今週もせっせと働き、そして金曜日。あすからシルバーウィークとやらの連休に突入。相変わらず秋雨前線の停滞で、天気はイマイチのようだが、さてどんな塩梅だろうか。とまれ、今夜はのんびりと…。そう思いつつ先日の記事で取り上げたエラ・フィッツジェラルドとジョー・パスで思い出し、こんな盤を取り出した。


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ウェス・モンゴメリーの有名な盤<A DAY IN THE LIFE>。1967年にジャズを大衆化するという目的で設立されたCTIレーベル初期の盤で、ウェス・モンゴメリーのCTI移籍第1作でもある。この盤は当時大いにヒットし、ウェス・モンゴメリーの名は一部のジャスファンだけでなく、広く音楽ファンに知られるようになった。CTIレーベルもまた、その後のイージーリスニング、クロスオーヴァーやフュージョンへの流れを作り出すレーベルとして一気にメジャーに躍り出た。ぼくがこのレコードを買ったのは確か70年代の半ば。すでにクラシックをガンガン聴いていたが、同時にジャズやインストゥルメンタルのポピュラーにも興味を持ち始めていた頃だった。

ウェスのこともCTIのことも印象的なジャケットももちろん記憶にあるが、実際この盤に針を下ろすのは何年ぶりだろうか。おそらくこの30年間に一度か二度聴いた程度だろう。久々に聴いてみて『まあ、これも悪くないじゃん』とつぶやきつつ、部屋の片付けをしながら聴いた。アルバムタイトルにもなっているビートルズの曲の他、ポピュラーな選曲、スローロックやボサノバ調といったアレンジ、ウィズ・ストリングスのメロウなサウンド…もちろんジャズのイメージは皆無。これは完全にポピュラーチューンを軽快なリズムにのせて、ウェス・モンゴメリーのギターサウンドで個性を楽しむ盤だろう。

有名なオクターブ奏法はもちろんだが、右手親指による独自のピッキングと愛器ギブソンから繰り出される単音のメロディーも太く暖かい音色で、聴けば一度でウェスと分かる個性だ。記事の下に貼り付けたYouTubeの動画でも分かるが、親指による単音のピッキングの音数は多くはなく、速弾きでもないのだが、ハンマリングやプリング(クラシックギターでいえば上昇スラー・下降スラー)のテクニックを駆使して音数を確保すると同時にアーティキュレーションを十分に表現しているので、音楽には十分な抑揚がある。但しこのアルバム、標榜したジャズの大衆化というテーマは結局実らなかったように思う。クラシックもジャズも、敷居を下げて人を呼び込もうとする試みは過去何度も行われているが、結局一過性に終わる。低い敷居は入るだけでなく、出ていくのも容易だ。

この盤がヒットしている真っ最中の1968年6月、ウェス・モンゴメリーは45歳で急逝する。残された演奏をこうしてYOUTUBEで観ていると思うのだが、この個性豊かなギタリストにはストレイト・アヘッドなジャズをもっと弾き続けて欲しかった。


彼の名刺代わりともいうべき曲<full house>


<転向>後1967年の演奏



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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