M・ポンセ<南の協奏曲>



三連休明けの火曜日。気分チャンジしてせっせと、もとい、ほどほどに業務に精励。もう還暦オーヴァーだしね…万事ほどほど、ほどほど。…さて、ぶつくさ言わずに夜更けの音盤タイム。久々にセゴヴィアのギターをと思い、こんな盤を取り出した。


201610_Ponce_Segovia.jpg


アンドレス・セゴヴィア(1893-1987)がソロをとったマヌエル・ポンセ作曲の<南の協奏曲>。手持ちの盤は80年代後半に当時のワーナー・パイオニアから出たセゴヴィア選集全17巻のうち1枚。オケはトスカニーニ亡きあとのシンフォニー・オブ・ジ・エア(元NBC響)、50年代にサンフランシスコ響の音楽監督も務めたエンリケ・ホルダ(1911-1996)というスペイン人指揮者が振っている。1958年録音。
マヌエル・ポンセ(1882-1948)はメキシコ近代音楽の父といわれ、多くの作品を残した。とりわけギター音楽に関して、1920年代以降セゴヴィアとの交流の中から、現在もギタリストにとって重要なプログラムになっているいくつかの曲を残した。しばらく前に記事にした<南のソナチネ>擬バロック形式の組曲などもその代表的なものだ。そのポンセが書いたギター協奏曲<南の協奏曲Concierto del Sur>は1941年セゴヴィアに献呈され、同年セゴヴィアの独奏、ポンセ自身による指揮で初演された。
ポンセの楽曲は総じて新古典主義の作風をとる。この曲も協奏曲の定石通り、緩急緩の三楽章から成り、全編を通して古典様式に近代的和声を散りばめ、感興と機知に富む。ギター特有のラスゲアード奏法(弦をかき鳴らす奏法)や、明確なリズムの刻みなどに、ギターの故郷としてのスペインの情緒も盛り込まれている。特に両端楽章にその傾向が顕著で、フランス仕込みの色彩的なオーケストレーションと相まって華やかなフレーズが続く。
録音当時65歳のセゴヴィアはまだまだ技巧の切れもよく、初演者の自信を感じさせる弾きっぷりで、この曲の楽しさを十分伝えてくれる。録音はセゴヴィアのソロがオンマイクでほとんどエコーなしで録られ、バックのシンフォニー・オブ・ジ・エアのオケパートはかなり残響豊かで、パートごとに遠近感を感じさせるなど、50年代後半のステレオ録音として満足できる水準。数少ないギターのための協奏曲、中でも20世紀以降の作品としてはロドリーゴの<アランフェス協奏曲>が図抜けて有名だが、テデスコの協奏曲と並び、このポンセの曲も近現代を代表するギター協奏曲として弾き継がれていくことだろう。


この盤の音源。


近年ギター弾きの間でめっぽう評価の高いマルチン・ディラ(1976-)による、ごく最近2016年8月台北交響楽団との演奏。台湾初演とのこと。



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No title

南の協奏曲は、僕の中ではナンバーワンのギター協奏曲です。ジョンのレコードをよく聞きました。カップリングされていたプレヴィンの協奏曲も懐かしいです。ディラ、ため息がでるぐらい上手ですね。かつて中出敏彦を購入した札幌のK楽器は、ずいぶん昔に閉店してしまいました。大手のYAMAHAもクラシックギターは取り扱っていません。今の愛機、桜井・河野は、東京勤務時代に、目白のG社で買いました。

Re: No title

> 南の協奏曲は、僕の中ではナンバーワンのギター協奏曲です。
…おっしゃる通りですね。超有名曲のAコンチェルトよりずっとイイ(^^
K楽器閉店後、ヤマハもだめですか…。渋谷さんや宮下さんの伝手で東京から直接営業に来るのかな。ちょっとさびしいですね。
目白のG社は健在です。ずっと前からですが、ギターより古楽器類全般のウェイトが高くなっているようです。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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