ブラームスのドッペル
きょうの関東地方は気温上昇、夏日の一日。都内霞ヶ関での仕事が昼前に終わり地下鉄に乗ると、ジャケット姿のおにいさんの横には半袖Tシャツのおねえさん。いかにも都会らしい光景。ちょうど時間もよかったので、乗り継ぎ駅の日本橋で下車。ちょっと優雅に初秋の一人ランチを楽しんだ。 さて、二日ぶりの音盤タイム。先回のセル第九で思い出し、こんな盤を取り出した。

あまりに有名な盤。セル&クリーヴランド管、オイストラフ、ロストロポーヴィッチによるブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(ドッペルコンチェルト)。1969年5月録音。この盤がカラヤン&ベルリンフィルによるベートーヴェンの三重協奏曲を共にリリースされたときは、その豪華な顔ぶれで評判になった。ベートーヴェンではオイストラフとロストロポーヴィッチに加えてリヒテルがピアノを受け持っている。
さてブラームスのドッペル。 この曲は出だしから指揮者とオケの技量そして気合が試される。付点つきリズムのトゥッティが2小節あったあと、いかにもブラームス的な三連符のトゥッティが2小節続く。ここで曲の印象がかなり決まってしまうほどだ。セルの多くの盤を出しているCBSソニーの盤に比べ、このVictor録音のセル&クリーヴランド管の音は、筋肉質のしまった響きはそのままだが、より重量感があって聴き応え十分だ。短いしかし渾身のオケの序奏に続いて、ロストロポーヴィッチのチェロが出てくる。これまた圧倒的な存在感だ。続くオイストラフのソロも太く逞しい音だ。オーケストラ、2つのソロ楽器、それをコントロールするセル、いずれもがブラームスはこうあってほしいというイメージをことごとく理想的に展開してくれる。重厚なオケの響き、一つ一つに重心がたっぷりのった、それでいてぴたりと合ったアインザッツ、弦と管の渋い音響バランス…曲の素晴らしさに加え、後期ロマン派の中にあって古典的装いを表出させたブラームスの交響的作品を理想的に表現した名演だ。
回顧的になるつもりはないが、いまこうした演奏が出来る組み合わせはあるのだろうか。もっとシャープで流麗かつ明瞭で…そんな演奏はいくらでも実現しそうだが、この盤のようなジャケット写真からして重厚な音がイメージ出来るような組み合わせは存在しなように思うがどうだろう。
この演奏の音源。全三楽章。
徳永兄弟とスウィトナー&N響@1982年。 ぼくら世代には涙物の記録。画質は残念だが音はまとに入っている。
ユリア・フィッシャー(Vn:1983-)とダニエル・ミュラー=ショット(Vc:1976-)による第一楽章。
★★追伸★★
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