SACD vs CD



十月も下旬。陽射し程々ながら穏やかな週末。昼をはさんで少々時間があったのでオーディオセットのスイッチを入れ、そういえばと思い出し、先日知人から借りた音盤を取り出した。


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先回の記事に書いた東京コレギウム・ムジクムの演奏会。その案内を届けてくれた知人が一緒に持参してくれたのが、五嶋みどりと今井信子によるモーツァルトのドッペル<ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲ニ長調>。そのSACD盤。なんでも知人のそのまた知人がダブり買いをしてしまったのでと譲り受けたとのこと。しかし知人がSACD用の装置がなく、与太さんよかったら聴いてみる?…となった次第。 この演奏は以前から愛聴盤のひとつ。演奏内容はもちろん、録音も素晴らしくいい。手持ちの盤は当然CD盤で、同じ演奏をSACDと聴き比べるのは興味あるところだ。

CDはラックスマンのL-500に、SACDはデノンのDCD-1500にセットした。L-500は名器ながら20年以上前のもの。デノンのDCD-1500はエントリークラスで筋金入りのオーディオマニアからみればおもちゃレベルだろう。音盤の音質比較をするのに違うプレイヤーで、それもメーカーも世代も違う…そんなもの比較にも何にもならないだろうという突っ込みどころはいくらでもあるのは承知。もちろんCDもSACDもOKのDCD-1500で比べることは可能だが、ぼくの知覚能力ではディスクを入れ替えている間に音の記憶が薄れ、比較できる自信はない。というわけで、まあ、ちょっとしたお遊びレベル。そのあたりはどうかひとつ…。ちなみにアンプはこれまた古めのラックスマンL-570、スピーカは昨年入れ替えたアヴァロンECLIPSE

SACDが世に出てかなり年月が経ち、プレイヤーもSACD対応機種がほとんどではあるが、メディアとしてのSACDは一向に普及せず、一時は風前のともし火になった。近年、SACDのDSD形式がハイレゾやネット配信などとの相乗効果で息を吹き返しつつあるといった状況だ。理由はいろいろあるだろうが、CDフォーマットの限界は登場当初から議論されていたものの、現実的にはCDでも十分に高音質が楽しめるというのが最大の理由だろう。実際ぼくの手持ちに中にもSACD盤は10枚とない。とはいっても、知覚能力の高い人はその違いが十分感じ取れるだろうし、もうあとには戻れないというSACD派もいるだろう。もちろんマルチチャンネル再生となればSACDの独壇場だ。

さて結果はどうだったか。
両音盤をそれぞれプレイヤーにセットし、楽曲がほぼ同時進行となるようにプレイボタンを押した。
まずはL-500によるCDを聴く。二人の奏する名工グァルネリ作のヴァイオリンとヴィオラの音色がともかく美しい。五嶋みどりのヴァイオリンはいつもながら音程が完璧、かつボーイングも均一で安定していて、あまりに正確過ぎて一聴すると線が細いと感じるほどだ。今井信子のヴィオラもさすがに世界のトップ。五嶋みどりに劣らず正確なピッチで、滑らかで暖かいヴィオラの音が堪能できる。今井信子はこの曲を弾くに当たって、楽譜の指定に従い調弦を半音上げたスコルダトゥーラで演奏している。これによって、原調の変ホ長調がヴァイオリン族でも最も弾きやすく音の出やすいニ長調で記譜されることになる。事実ヴィオラの発する音も張りのある音色で、ヴァイオリンとの「対比」というより「調和」を感じさせる。エッシェンバッハ指揮のNDR響もドイツの伝統あるオーケストラの実力を感じさせる安定した響きと落ち着いた渋い音色で申し分ない。録音も、クリアに録られた二人のソロと前後左右に展開するオケのバランスがよく、目を閉じて聴くとステージイメージも十分想像できるほどだ。CDで聴いてこれといった不満を感じない。 次にアンプの入力をDCD-1500に切り替えてみる。入力切替えのリレー音に続いて一瞬のミュートが入ってからSACD盤からの音に切り替わる。…う~ん、違う!二人のソロがよりクリアになり、オケ部とのコントラストが明瞭になる。オケ部の各パートもCDよりも更によく分離する。低弦群なども、コントラバスの弾くトリルの一音一音がはっきりとわかるほど。全体の響きも前後左右そして上下方向まで一段と広がり豊かになる。これはいい!思わずニヤッとし、しばし聴き惚れてしまった。

事前の予想では、ぼくの駄耳では違いに気付かないだろうと、(謙虚に)思っていたのだが、予想は一聴して覆された。何度もCDとSACDを行ったり来たりしたが、CDに切り替えるたびに音全体の解像度は下がるのを実感する。もっともそのままCDを聴き続けるとすぐに耳が慣れ、十分高音質に聴こえてくる。手持ちの盤をこれからSACDに買い替えるほど意気込みはないが、録音の良さにも魅力を感じて今後新しい盤を手に入れるようならばSACDを選択してみたいと思う。スピーカを含めた再生環境が音の広がりや空間再現性まで考慮できるレベルにあり、そうした要素をリスニングの対象として重視するなら価値有りというのが、きょうのところの結論だ。繰り返すが、プレイヤーが違うので、この違いが盤の違いとは断言出来ない。機会をみて同じCD盤を今回の二つのプレイヤーにそれぞれセットして、プレイヤー側の違いを確認してみたい。


この演奏の音源で第1楽章。何度聴いてもいい曲だなあ…。YouTube音源につき空間再現性云々は難しい。


同第2楽章。https://youtu.be/xOOftaGcsOs
同第3楽章。https://youtu.be/Uq1JtYHOC4o

モーツァルト作曲VnとVcのためのドッペル?!
ヨーヨーマがヴィオラパートを弾いている演奏。アイザック・スターンのヴァイオリン。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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