アファナシエフのショパン夜想曲
天気図をみると西高東低の冬型。きょうの関東地方は朝から北風吹き抜ける一日。例年通り気象庁からは<木枯らし一号>との発表。だいたい10月末からこの時期にかけての恒例の風物詩だ。晩秋から初冬へ。かつてなら少々センチメンタルになる季節だが、昨今はハロウィンからクリスマスへと間断なく賑やかな日々が続く。 さて週半ばの水曜日。ハロウィンもクリスマスもとんと縁のないボンクラ与太としては、やはりここはちょっとセンチメンタルにいこうかと、こんな盤を取り出した。


アファナシエフの弾くショパンの夜想曲集。DENONレーベルの廉価盤クレストシリーズの1枚。1999年当地群馬県東部にある優れた音響で知られる笠懸野文化ホールでの録音。以前一度記事にしているので以下に再掲しておく。
この盤で取り上げられた夜想曲は全部で9曲。そのうち7曲は短調作品。もちろんアファナシエフの意図的な選曲によるのだが、その裏にはショパンに対する彼のイメージがある。ショパンのノクターンというと、甘くロマンティックで夢想的でと、何やら乙女チック(もはや死語か…)な世界を連想する。それは夜想曲だけでなく、一般にはショパンそのもののイメージにもつながっている。しかし、アファナシエフはライナーノーツでこう書いている。『ショパンは素敵でもなければ、チャーミングでもない、ショパンは魂の音楽』 まったくその通りだ。そしてショパンの魂は短調作品にこそ宿るというわけだろう。
遅いテンポ、次の音が出てこないのではないかと思わせるほどの休止符、研ぎ澄まされ贅肉のないタッチと音色…。そうしたものすべてが集合し、寂寥感に満ちたショパンの夜想曲が奏でられる。
聴き馴染んだ嬰ハ短調<遺作>が別の曲のように聴こえてくる。
ト短調 作品37の1
その戦争体験記が映画「戦場のピアニスト」の原作となったウワディスワフ・シュピルマン(1911-2000)による演奏。
⇒ https://youtu.be/n9oQEa-d5rU
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