レナード・ローズ(Vc)とグールド


何気なくネットをぶらつていたら、チェロのレナード・ローズ(1918-1984)の名前を見つけた。きのう11月16日が彼の命日とのこと。アメリカ生まれのチェリストとして、トスカニーニ時代のNBC響とはじめ、クリーヴランド管やニューヨークフィルなどで若くしてパートトップに付いた。リン・ハレルやヨーヨーマの師としても知られる。そういえば…と思い出し、今夜はこの盤を取り出した。


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グールドと組んでバッハのヴィオラダガンバとハープシコードのためのソナタ集BWV1027~1029を弾いた盤。例のグールド80枚ボックスセットの中の一枚。1973~74年録音。もちろんここではヴィオラダガンバをチェロ、ハープシコードをピアノで演奏している。グールドは孤高のピアニストのように思われるが、合わせ物もそれなりの録音を残している。バッハやベートーヴェンの協奏曲、シューマンのクァルテット、シェーンベルクのヴァイオリンソナタなど。そしてきょうの盤もそんな中の1枚だ。

第1番のソナタBWV1027の第1楽章が思いのほかゆっくりとしたテンポで始まる。グールドとローズが会話しているというよりは、どちらともなく遠慮がちに探り合っているかのようだ。もっと堂々と確信をもって始まる演奏が常だが、これは意外だった。以降も、楚々として控えめに曲は進む。第2番、第3番も印象としてはまったく変わらない。グールドが弾くピアノを聴くときいつも感じるのは、その静寂感だ。どれほど強い打鍵や音の洪水がある曲でも聴き終えてみると、不思議な静寂感が曲を支配しているように感じる。その印象が、この合わせ物でもまったく変わらずにある。

ローズがどんな風に感じて弾いていたのか知るすべもないが、少なくてもチェロを朗々と鳴らし、構えの大きな音楽を志向してはいなかったろう。グールドの世界観や解釈に賛同したのか、全体としては控えめで、曲の構成よりは、一つ一つのフレーズに込められたニュアンスを再現しようとしているように感じた。そしてもちろん、グールドのピアノはチェロの伴奏に留まっていない。極めて雄弁に音楽を引っ張り、しばしばチェロがピアノのオブリガートのように響く。グールドのピアノの個性と合わせ、どの曲もアダージョあるいはアンダンテのゆっくりとした楽章の表現が秀逸だ。深くそして美しい。


この盤を音源。BWV1027と1028


グールドとのベートーヴェンのチェロソナタ第3番。例によって<伴奏>ではあるが、グールドは暗譜で弾いている。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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