チェリビダッケの<オクスフォード>


夕方には雨という予報が少々ずれこみ、夜半近くなってポツポツと降り始めた。比較的暖かい夜。12月も半ば。季節感がないないと言いながらも、目や耳から入るものが次第に師走そしてクリスマスモードだ。あと2週半余りで今年も仕事納め。早いなあ…そんなことを考えながら、きょうは7時調度に帰宅。いつもより少し早くリラックスタイムとなった。…が、音盤棚を見回しても、あまり聴きたいものもない。どうしたものかなあと思いながら逡巡していると、こんな盤が目に入ってきた。


201612_Celibidache_Oxford.jpg


チェリビダッケ&ミュンヘンフィルによるハイドン交響曲第92番ト長調<オクスフォード>。1994年2月の録音。同コンビの録音はちょうど2000年頃一気にリリースされ、その後もボックスセットになったり、今回入手した盤のように廉価盤になったりと、再発が続いている。相応のリクエストがあるのだろう。ぼくもたまたま近所のショッピングモールに入っている書店のCDコーナーで見つけて、落穂ひろいのように数枚買い求めた。この盤にはオクスフォードともう1曲、モーツァルトの40番が入っている。

チェリビダッケのハイドンと聞いて想像するイメージと重なるところと、意外にもきわめてオーソドクスな面と、双方兼ね備えた演奏。第1楽章の序奏…えっ、オクスフォードはこんな曲だったかと思うほど精緻で美しい響きに驚く。ゆっくりとしたテンポとフレーズの合間に漂う緊張感。意味あり気なゲネラルパウゼが素晴らしい。そして弦楽器群はほとんどヴィブラート付けていない。まるでブルックナーのアダージョ楽章を聴いているかのような錯覚に覚える。これまで聴いた中でもっとも美しい序奏かもしれない。主部もややゆっくりめのテンポだが、柔らかくかつ充実した響き。音楽の構えは大きいが、音響的には古典らしくコンパクトな響き。編成も少し小さいようだ。そしてオケを無理に鳴らすことは決してなく、響きのバランス重視で進む。第2、3楽章は少々重く引きずるような表現で賛否が分かれるところ。終楽章は予想以上に快活なテンポで一気呵成に聴かせる。ミュンヘンフィルのアンサンブルと重心の低い響きも素晴らしい。総じて、晩年のチェリビダッケ特有の個性に満ちた演奏だが、風変わりなところは感じない。それでもこんなスタイルは今どき聴けないし、独自の表現もチェリ以外ではあり得ない、ワンアンドオンリーな盤だ。


この盤の音源。 冒頭の序奏だけでも聴く価値有り。


NDRエルプフィルハーモニー(NDR響:ハンブルグ北ドイツ放響から最近改名)による演奏。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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