ジュリアーニ <ロッシニアーナ第1番>


今夜は久しぶりにギターの盤を。
昨日のシューベルトの記事で、当時のウィーンで流行っていたロッシーニ…と書いたのを思い出し、こんな盤を取り出した。


201612_Mauro_Giuliani.jpg  201612_Giuliani_Rossiniane.jpg


マウロ・ジュリアーニの<ロッシニアーナ>。フレデリック・ジガンテのギター独奏で、ロッシニアーナ第1番から第6番までの全曲と変奏曲4つが2枚のCDに収録されている。1992年録音。少し前に取り上げたベートーヴェンのマンドリン曲と同じく海外廉価盤レーベルARTSの盤。

ジュリアーニ(1781-1829)はギター弾きにはお馴染みかつ必須曲を多々残しているイタリア生まれの作曲家。元々はヴァイオリンやチェロを学び、その後ギターも習得。19世紀初頭のウィーンで作曲家兼ギタリストとして大そう人気を博し、その華麗な技巧を駆使して、古典様式の曲を多く残した。ベートーヴェン、フンメル、ロッシーニらとも交流を持ち、ベートーヴェンの第7交響曲初演時のオケにチェリストとして入っていたという。 6曲残されているロッシニアーナは、その名の通り、当時人気絶頂だったロッシーニのオペラから題材を取ったポプリ。元のアリアの魅力というよりは、それを使った技巧的なパラフレーズが聴きどころだ。ジガンテは実に真面目が過ぎるくらいにこの曲に取り組み、正統的な古典様式で整った演奏を聴かせてくれる。

クラシックギターを中級程度まで進んだ方にはよく分かるだろうが、特徴的なアルペジオの音形や高速のオクターブ跳躍で進む音階など、ジュリアーニの楽譜は見ただけで彼の作と分かる。パターン化された指使いが多いのだが、運動能力との相性で得意不得意が出る作品が多い。ちなにみ、ぼくは苦手で旧友Y氏は得意…といった具合だ。古典ギター期の双頭ともいうべきもう一人、フェルナンド・ソル(1778-1839)のような意味深長さはあまりないが、古典様式に忠実な和声感と華麗な技巧を駆使した曲は、やはりギター弾きにとっては一度は弾いてみたい作品の一つだろう。同時に、クラシックギターといいながらクラシックに興味を示さない一部のクラシックギター愛好家には、弾ける弾けないはともかく、ハイドンからモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトと続いたウィーン古典派と、その流れの中に根付いていた19世紀古典ギター最盛期の響きを楽しみ、古典的様式感に親しむには格好の題材だろう。


ジガンテによるこの盤の音源でロッシニアーナ第1番。アップロード制限の都合からか、前後半に分かれている。


ドイツのイザベル・ゼルダという若いギタリストが弾くロッシニアーナ第1番。



◆ジュリアーニについては、こちらのサイトに詳しい。楽譜も大方のものは閲覧可能(メニューのSheet_Music)◆


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No title

ロッシニアーナ第一番、いいですね。かつて、ブリームの録音をよく聞きました(カップリングはソルの第二ソナタでした)。僕はどっちかというと、ソル派かな。でも、ジュリアーニの協奏曲第一番はクラシックギターの貴重な遺産ですね。札幌は今日も大雪です。バリオスのクリスマスの歌やワルツ第4番をポロリポロリと爪弾いている毎日です。

No title

こんばんは。
ジガンテさんのCD持っていたので反応してみます。
なんとなくジャケットの顔をジガンテさんと思いこんでいたのですが、どうもこれはロッシーニさんの肖像でしょうね。
全曲収録は貴重でしょうか。、福田進一氏も1枚出してましてこれも所有しています。1番聴いた後、自分にとってのジュリアーニはこれだなあと、ペペ・ロメロのLPを引っ張り出しておいらはキャベツ作りの子を聴きました。そんで、もちろんこれらは弾けるはずもないので唯一指が回りそうなラ・メランコニアたどってみてジュリアーニに浸ってみた次第。きっかけどうもありがとうであります。

Re: No title

札幌はまたも大荒れですか。当地関東もきょうまでは暖かでしたが、あす以降前線通過とその後の冬型気圧配置で大荒れの予報です。 ジュリアーニ…ソルは何かと対照的ですね。ジュリアーニは協奏曲、フルートとのソナタなど、アンサンブルによい作品が多いと思います。ギター曲は完全に<ギター的>に仕上がっているのに対して、室内楽曲はいずれも不変的な古典名曲で通じる作風だと思います。

Re: No title

FM大野さん、こんばんは。コメントありがとさんです。
ジガンテ盤をお持ちなのですね。おっしゃるように、ジュリアーニは何となく弾けそうで、実際には中々弾けません。音符は単純に並んでいて、きわめてギター的。ソルの曲が、そのまま弦楽四重奏で弾いても曲になりそうなのとは対照的ですね。ジュリアーニはギター独奏曲よりも、協奏曲や他の楽器との合わせ物に良い作品が多いように感じますね。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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