ブロムシュテット&SKD ブルックナー第4


三連休も終わり、あすからは今年最後の週。ぼくの場合、今年は一般慣例通り28日が仕事納めで、年明けは4日から始まる。あすからの3日間も、年の瀬を感じるのにはちょうどいい程度に、ほどほどに仕事も詰まっている。中々ちょうどいい塩梅はないものだが、この年末はラッキー。そんなことは考えつつ、さて今夜は少し気合を入れて聴こうかと、こんな盤を取り出した。


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ヘルベルト・ブロムシュテットがドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン:SKD)を振ったブルックナー交響曲第4番変ホ長調。手持ちの盤は十年ほど前に日本コロンビアから出た廉価盤シリーズ<クレスト1000>の中の1枚。1981年録音。当時、先陣を切ってデジタル(PCM)録音を推進していた日本コロンビアが東独シャルプラッテンと共同制作したもの。
ブロムシュテット(1927-)は近年も度々来日。この秋もバンベルク交響楽団を引き連れていくつかの公演を行った。高齢にも関わらずまだまだ現役バリバリであるが、やはりこの時期、80年代の活躍ぶりがぼくら世代には印象的な存在だ。取り分け、70年代後半から80年代初頭にかけて、ベートーヴェンやシューベルトの全集を名門ドレスデンと録音したことで、N響を振る姿だけでなく、世界的なトップであることを印象付けた。このブルックナーも同時期に録音された第7番と共に、ブロムシュテット壮年期を代表する盤だ。

ブルックナーの交響曲に親しみ始めてから40年余になるが、最初に接したのは多くの愛好家同様この第4番だった。その後、興味は5番や7番、8番等に移っていったが、今夜久しぶりの聴きながら、やはり名曲だなあと納得。取りわけ第2楽章の美しさに心打たれる。ブルックナー自身この第2楽章について「歌、祈り、セレナーデ」と書いているそうだが、その言葉通りの抑制された響きの中で心静まる音楽が展開する。チェロやヴィオラによって歌われる息の長い主題旋律は、穏やかな葬送の音楽のようにも聴こえてくる。 ブロムシュテット&SKDの演奏についてはすでに多くが語られているように、その美しい響きと、楽曲をありのままの提示した組立てにおいて、素朴で純粋なこの曲の持ち味を十全に引き出している。取り分け、SKDの弦楽群、木管群のしなやかかつ整った響きが、録音セッションを行ったドレスデン・ルカ教会の自然な残響を伴って、限りなく美しい。テンポはほぼインテンポをキープ。各パートのバランスに留意して決して大声を上げず、曲の有り様をそのまま聴き手に届けてくれる。低弦群も控え目ながらしっかりとしていて、ローエンドののびも秀逸。先回記事にしたシューベルトが摩天楼型の音響バランスだったのに対し、このブルックナーではややピラミッド型にシフトしている。それでも音響全体の鮮度、解像度は高い。

以前使っていたスピーカー三菱2S-305は、オーディオ的にやや狭いレンジ感が奏功して、音楽の核心と演奏者の意図をダイレクトに表出することに長けていた。だからブルックナーをオーディオ的視点から楽しもうとは思わなかったのだが、スピーカーをクールで精緻な表現が得意なアヴァロンに替えてから、その空間表現の巧みさもあって、ホール空間に広がるオーケストラの響きそのものを楽しむようになってきた。以前ならこのブロムシュテット盤のような演奏にさほど感心しなかったかもしれないが、アヴァロンで聴くとSKDが繰り広げる極上のオーケストラサウンドに酔いしれる。やや軽量級ともいえる第4番の曲自体がひと回り大きくなったように感じるからだ。


ブロムシュテット&SKDによる第3楽章。この盤と同時期1981年来日公演。
ホルンにペーター・ダム、ティンパニーにゾンダーマン。


ブロムシュテットの今。2015年1月ベルリンフィルとの第8番第3楽章から。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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