R50!懐かしの映画音楽集
きのうの記事<ちょい渋のイ・ムジチ>でニーノ・ロータの名前を出したことでふと思い出し、今夜はこんな盤を引きずり出した。


1970年3月に講談社から出た映画音楽7枚組のレコードセット。その春、高校の入学祝いとして待望のステレオと一緒に買ってもらった記念すべきレコードでもある。収録された曲の映画のワンシーンや主演俳優のグラビアがのっている中々豪華な冊子も付いている。高校1年になったばかりのぼくは、まだクラシックには目覚めておらず、この7枚組の映画音楽のレコードを飽かずに聴いていた。編集の時期から、例えば60年代終盤の「白い恋人たち」や「ロミオとジュリエット」は入っているが、70年代になってからの「ひまわり」や「ある愛の歌」は入っていない。一部はアレンジした演奏もあるが、多くはオリジナルのサウンドトラックで、いま聴くと観ていない映画まで劇場で見た記憶があるかのような錯覚を覚える。
今の若い世代に60年代、70年代の映画音楽はどれほど認知されているのだろうか。あの当時、音楽に親しむきっかけとして映画音楽の役割はとても大きく、多分今とは比べようがないほど映画音楽が巷にあふれていた。映画音楽あるいは映画音楽ファンというカテゴリーが立派に存在した。こんな企画盤が売れるマーケットが存在したわけだ。
このセットは古い盤にも関わらず音がいい。1973年/昭和48年のオイルショックをきっかけに、石油化学製品の一つであるレコード盤は材料節約のため次第に薄くなっていき、80年代には手に持つと自重でたわむほどになってしまった。しかしこの盤はまだそうした節約志向になる前の盤で、盤自体に十分な厚さと重量感がある。材質の関係か経年変化か不明だが、静電気の発生も少なく、いま聴いてもとても鮮度の高い音だ。サウンドトラックのややナローレンジの音色も、デジタル化でワイドレンジかつノイズレスになった昨今の音質に慣れた耳で聴くと、何とも懐かしい。この盤に収められた曲目から目についたところをあげてみると…
ウェスト・サイド・ストーリー、マイ・フェア・レディー、魅惑の宵、80日間世界一周、ライムライト、魅惑のワルツ、チムチムチェリー、ララのテーマ、慕情、虹の彼方に、男と女、日曜はダメよ、華麗なる賭け、いそしぎ、ロミオとジュリエット、ロシアより愛を込めて、帰らざる河、白い恋人たち、シェルブールの雨傘、太陽がいっぱい、第三の男、鉄道員、エデンの東etc
…といった具合だ。50代から上の人であれば、映画ファンあるいは映画音楽ファンでなくても、きっと多くの曲のメロディーが浮かぶだろう。最近は映画音楽よりもアニソンらしい。ぼくはまったく不案内だ。久石譲のジブリシリーズの音楽などもポツポツと知っている程度。流行のポップスだけなく、こうしたジャンルでの世代間格差は案外大きい。かつてのスタンダードもいつの間にか単なる懐メロになってしまうのかもしれない。この盤を聴くと、高校入学当時の雰囲気がリアルによみがえり、なんともノスタルジックで切ない気分になる。
<鉄道員>のサウンドトラック。
<太陽がいっぱい>のラストシーン 世界の恋人アラン・ドロン…
<シェルブールの雨傘>ラストシーン う~ん、切ないなあ…
★★追伸★★
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