月曜から不調だ! バッハのパルティータで頭痛を癒す

三十年も勤め人をやっていて、今更月曜病などと言うのもナンだが、いつもながら週明けは気が重い。実際きょうは午前中から頭痛に見舞われ、薬を飲んだがいささかも効かず、午後の会議も正に頭をかかえて乗り切った。そんなわけで、きょうは予定されていた部内の『5時から会議』も欠席して定時に退社した。帰宅後すぐに熱めの風呂にかなり長くつかって、頭痛はようやく改善された。いくらか気分もすっきりしたので、夕食後アンプの灯を入れて音楽を聴くことにしよう。
今夜選んだのは、バッハのパルティータだ。バッハの鍵盤曲を聴くようになったのは実は割と最近のこと。中でも全六曲あるパルティータは、フランス組曲と並んでとりわけよく聴く曲の一つだ。今夜は中でももっともお気に入りの第二番をそれぞれ個性の異なるマレイ・ペライア、アンドラーシュ・シフ、ウラディミール・フェルツマンの三人の演奏で聴いてみる。ついでに春秋社版の楽譜も広げようか。


バッハ・パルティータ 三者三様の表現


ペライアがバッハのアルバムを少し前から出し始め話題になっていたのは知っていたが、自分で入手したのは、パルティータの第二・三・四番を含むこの盤が初めてだ。シフの盤は80年代に出て『歌うバッハ』として、以降定番となった。もう1枚のフェルツマンの録音は十年ほど前1999年録音のものだ。

最初に聴いたペライアの演奏は、楷書で描いた模範的な表現とでも言おうか、驚きや緊張にさらされることなく安心して身を任せられる演奏だ。といって凡庸で退屈なものでない。ステレオで聴くとスピーカーの中央やや近めに定位するピアノの音はクリアで美しく、低音・高音のバランスもよい。次に聴いたのはフェルツマン。一聴して、まったく異なる音色感。ピアノの音はかなり硬質に捉えられ、低音はやや少なめで中高音のクリアさが印象に残る(ブックレットにはスタインウェイを使用と記されている)。パルティータ第二番の最初の曲『シンフォニア』の冒頭から装飾音を自在に駆使していく。ペライアの楷書とは好対照だ。主部に入っても、左手のタッチをスタッカート気味にコントロールして、すべての音が空間にくっきりと浮かび上がる。かなり装飾音を入れながら、くどさを感じさせないのは、この音色と両手のコントロールによるところが大きい。続いて聴くシフは他の二人とは世界が異なる。フェルツマンのクリアさを優先した両手のコントロールとは対照的に、すべての音はレガートにつながり、録音もかなり残響を含む。ややロマンティックで主情的な表現を助長する印象。意図的な音作りだろうが、演奏・録音とも悪く言えば少々精緻さやクリアさに欠ける。どの盤がいいかと問われるといささか返答に窮するが、今の気分ではペライア盤か。あるいはフェルツマンも時に取り出して聴きたくなる。

と、ここまで書いて、何か忘れてないかと外からあるいは内から問う声が聞こえる。『グールドはどうした?』と。はい、忘れていませんよ。グールドの何枚かのCD/LPそしてオリジナルジャケットコレクションのCD80枚セットも控えている。が、今夜は大好きなグールドには休んでいてもらおう。グールドにはもう少し体調のよいときに登場してもらうつもりだ。

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音楽とクラシックギターに目覚めて幾年月。道楽人生成れの果てのお粗末。

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