田部京子(Pf)来演 群馬交響楽団第524回定期演奏会
週末土曜日。日中野暮用を済ませ、夕方から群馬交響楽団の定期へ。前回昨年10月の定期から三ヶ月ぶり。

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モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
―休憩―
マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調
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ピアノ:田部京子
指揮:秋山和慶 管弦楽:群馬交響楽団
2017年1月21日(土)18:45~ 群馬音楽センター
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さて今回は指揮者に秋山和慶(1941-)、独奏ピアノに田部京子(1967-)を迎え、モーツァルトのd-mollとマーラー第5という人気の定番名曲プログラム。例によって音楽評論家;渡辺和彦氏のプレトークのあと、定刻の18時45分に客電が落ち、開演となった。
前半は田部京子お得意のモーツァルト。今回は中でも最も人気の高い曲の一つ第20番ニ短調。今日人気といっても、この曲の評価は現代になって定まったわけではなく、すでに200年前にベートーヴェンが高く評価し、自ら第1楽章のカデンツァを書き、今日でも多くのピアニストがそれを弾いている。
モーツァルトの短調作品に共通する悲劇的な様相がシンコペーションを伴った低弦群のモチーフで始まる。オケは変形10型(10-8-7-6-4)。田部京子のピアノは曲の悲劇性をことさら強調することなく軽めのタッチで弾き進める。彼女はソロだけでなくアンサンブルにも通じ、録音も残していることからみて、自分中心にガンガン弾くタイプではないのだろう。当夜まとっていた淡い藤色のドレスさながらにエレガントな弾きぶりで好感をもった。盛大な拍手に応え、アンコールとしてグリーグの抒情小曲集から<小人の行進>をさらりと弾き、前半を終えた。
休憩をはさんでマーラーの第5交響曲。
この曲はぼくがマーラーを聴き始めた最初の曲だったこともあって、以来マーラーの曲の中でももっとも長く親しんできた。実演で聴くのもこれで数回目になる。そして聴くたびに、この曲あるいはマーラーは音盤を聴くだけで全容を知ることは難しいなあと痛感する。特に第2楽章や第3楽章は様々なモチーフが縦横に綾をなす。レコードやCDでは耳につきやすい旋律ばかりが印象に残るが、実際にステージを眺めて聴いていると、その縦横にはりめぐらされた綾がビジュアルの助けも得て、耳に入ってくる。今夜も木管群やホルンはしばしばベルアップして吹き、第3楽章ではソロホルンが山台を降りて指揮者の前に座るなど、見どころも満載。そして何より秋山氏の鮮やかなバトンテクニックの素晴らしさ!第4楽章アダージェットでヴァイオリン群にレガートなフレージングを指示しながら同時に低弦群へ向けてピチカートのポイントを打つところなどは、指揮棒で旋律線を滑らかに描きながら、要所要所で齋藤スクール直伝の<先入>を駆使して細かな打点を入れてピチカートのタイミングを指示していく。あの棒ならアンサンブルは完璧だろう。 冒頭のトランペットソロほか、ホルンパートも終始熱演。そして大編成かつ複雑なスコアを紐解く秋山和慶氏の楽曲分析力とバトンテクニックに感服のコンサートであった。
群馬交響楽団は定期演奏会の前に音楽監督大友直人氏がYOUTUBEを通じてPRしている。
ちなみに来月2月はオールドヴォルザークプログラム。
★★追伸★★
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