加藤知子 バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ


このところギターを弾くまとまった時間が取れずにいたが、きょう土曜日は午前中に1時間半ほど、そして午後は隣り町渋川のマンドリンアンサンブルでの練習にも参加し、合わせて数時間たっぷりを弾いた。マンドリンアンサンブルの練習もきょうは参加者が少なかったこともあって時間の半分近くは自由練習となり、ぼくはこのところさらっているカルカッシの25の練習曲を順番に弾いて楽しんだ。カルカッシのOp.60;25の練習曲は、初級から中級に差し掛かるときの必須課題だ。ぼくも高校の時分にいくつか弾いた記憶があるが、きちんと全曲を弾いていない。先日楽譜を買って以来、折に触れて弾いているが、技巧的な練習と合わせて、音楽表現も意識しながら弾くと中々楽しい。


加藤知子 バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ   セゴヴィア編 シャコンヌのギター版の冒頭


さて昨晩は1966年にチャイコフスキーコンクールのヴァイオリン部門で第2位となった潮田益子の盤を聴いた。今夜は少し時代を下って、1982年の同コンクールでやはり第2位となった加藤知子のバッハを取り出した。以前彼女がアコーディオンと協演してバッハやピアソラを演奏している盤を取り上げたが、今夜は彼女のソロによるバッハの無伴奏全曲盤だ。全6曲のうちぼくが一番好きな第2番のパルティータを聴こう。
パルティータ第2番は終曲にシャコンヌを配することで有名だが、ぼくはこの2番の最初のアルマンドがことのほか好きだ。上下降するニ短調のスケールでこれほどのイマジネーションにあふれる曲を作るバッハの才を感じざるをえない。加藤知子の演奏は高音部と低音部の引き分けが明確で、あたかも多声部を持つ楽器のように聴こえてくる。続くクーラントはややゆっくりとしたテンポで丁寧に弾き進める。クーラント独自の付点のあるリズムも弾むような上下動ではなく、どちらかといえば横のメロディーラインに留意した解釈だ。ジーグも決して急がず実に丁寧かつレガート。そして終曲シャコンヌ。冒頭のテーマがたっぷりとテヌートを効かせて提示される。変奏に移ってからも曲の運びは終始落ち着いていてテンポを煽ったり、強く感情移入することもなく淡々と進む。ニ長調に転調したあとのテーマは、ほとんどノンビブラートでごく静かに提示される。

総じて静寂感が全曲を支配する演奏だ。しかしその静寂がゆえに熱っぽく激しい演奏より一層内に秘めた覚悟のようなものを感じさせる。それにしても2000年前後の比較的新しい録音のこの盤が、廉価盤として2枚組で1500円で買えるとはうれしい限りだ。

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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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