伊福部昭 管弦楽作品集
きょう2月8日は作曲家伊福部昭(1914-2006)の命日だ。そういえば2006年に亡くなったときのことを覚えている。たまたまその数日前に写真のCDを買い、伊福部昭の作品を初めてまともに聴いた直後だったからだ。


伊福部昭は北海道帝国大学農学部出身。在学中からギター曲や歌曲も作っていたようだ。当時日本国内ではほとんど無名でありながら、海外ではその大胆かつ先端の管弦楽技法が評価された。一般には映画「ゴジラ」をはじめ多くの映画音楽を作ったことで有名になった。このナクソス盤の作品集には以下の作品が収録されている。
・シンフォニア・タプカーラ
・ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ
・SF交響ファンタジー第1番
いずれも管弦楽の能力を駆使したエネルギーとファンタジーに満ちた作品で、全編彼の特徴である民族的主題やオスティナートなどが存分に展開される。SF交響ファンタジー第1番は、「ゴジラ・シリーズ」を中心とする伊福部昭の怪獣映画やSF映画のための曲から、作曲者自身が演奏会用メドレーとして編んだもの。1983年に初演されている。ゴジラ出現の動機に始まり、その手の映画ファンにはお馴染みのモチーフが次々に登場する。
ナクソスがこの作品集は日本のオケでなく、ロシアのオケに任せた理由は定かでないし、演奏を担当しているロシアフィルハーモニーの技量にはいささか難もある(おそらくほとんど練習時間もなく録られたのではないかと想像する)。しかしここでは洗練された精緻なアンサンブルよりは土俗的なエネルギーを感じ取って、それでよしとしよう。 昨今口当たりのよい音楽ばかりが持てはやされるが、ときにはこうした、人や自然の原始に根付いたような響きとエネルギーを感じさせる音楽も聴きたい。耳や頭も、いつものと違ったところが刺激されるような気がする。音楽愛好家なら一聴の価値ある盤、そして異例とも言える片山杜秀による10ページに及ぶ解説も圧巻だ。
SF交響ファンタジー第1番
伊福部昭はギター曲もいくつか残している。ああ懐かしや、阿部保夫による演奏。全音から出た楽譜は今も入手可能。
伊福部昭はジャーマンラウテ(マンドーラ)を愛好したようで、作曲も6弦ギターではなく、バスラウテを使っていたようだ。
★★追伸★★
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