ピアソラ <タンゴ組曲>



二月も半ば。きょうは寒さ緩んで暖かな一日。あすはさらに気温上昇して春一番も吹きそうとの予報だ。本日のせっせと業務に精励。いつもの時刻に帰宅した。
先日、ギター以外の楽器愛好家数名と話す機会があって、ギター弾き以外の楽器愛好家の中でのギターに対するいくつかの共通認識もあらためて確認した。ギターそのものは世の中でもっとも大量にあふれ、身近な楽器であるものの、その歴史や実態はあまり認知されていないこと、そして楽曲に関しては伝統的なクラシカルな世界とは別の領域にあるものという認識も強い。
そうした認識は実はギターを弾く側にも正しい認識がされていない実情を反映しているといっていいだろう。楽曲に関して言えば、ソルやジュリアーニの名前が出てくることはなく、ロドリーゴ(アランフェス協奏曲)、シューベルト(シューベルトがチェロパートを付け加えたマティエカ作の例のカルテット経験者がいたためか)、そして時代が飛んでピアソラの名前が出てきた。特にピアソタ<タンゴの歴史>の知名度は高く、ヴァイオリン、フルート、チェロと、多くの愛好家から<タンゴの歴史>の名前が出てきた。そんなこともあって、今夜はピアソラがギターデュオのために作った<タンゴ組曲>を聴くことにした。


201702_piazzola.jpg  201702_Assad.jpg


取り出したのは、ラテン系ギターデュオの創始者ともいえるアサド兄弟による<中南米のギター音楽>と題された1枚。手持ちの盤は10年程前に廉価盤で出た際に手に入れたもので、現在も入手可能。収録曲は以下の通り。1985年録音。

ピアソラ/タンゴ組曲
 I.Deciso、II.Andante、III.Allegro
ブローウェル/ミクロ・ピエサス
 I.Tranquillo、II.Allegro vivace
 III.Vivacissimo muy ritmico、IV.Sonoro
パスコアール/ベベ
ジナタリ/組曲「肖像」から
 アナクレート・ジ・メデイロス
 シキーニャ・ゴンザーガ
セルジュ・アサド/
 珊瑚の市レシーフェ、ヴァルセアーナ(ワルツ風)
 大鬼蓮、跳躍
ヒナステラ/たそがれの牧歌~バレエ「エスタンシア」から

ピアソラ(1921-1992)は30代になってから、それまで関わっていた伝統的なタンゴ音楽の新開地を求めるべく、クラシカルな世界を学ぼうと渡仏。ナディア・ブーランジェ( 1887-1979)に学んだ。ぼくらが今ピアソラの曲として認知しているのはほとんどがそうした彼の後半生の音楽といえる。 <タンゴ組曲>はピアソラがこの盤の演奏者であるアサド兄弟に献呈した。タンゴ…とあるが、他のピアソラのタンゴ作品同様、舞踏音楽としての要素は希薄で、三楽章からなる自由な形式の組曲。フランスで学んだ成果といえるような近代的な和声感や自由な曲構成、伝統的なラテン的な歯切れのいいリズムやセンチメンタリズムが同居する。演奏には高いレベルの技巧が要求され、アマチュアレベルではまともな演奏は難しい。この盤のアサド兄弟は、高い技巧レベルと持ち前のリズム感の良さ、そして<泣かせる>歌いっぷりをもって完璧に弾きこなしていて見事というほかはない。


<タンゴ組曲>全曲。イタリアのデュオユニットによる演奏。


兄セルジオ・アサド(1952-)作曲の美しい小品<ヴァルセアーナ>



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No title

確かに、クラシックギターのお堅い定番曲を一般の方の前で演奏すると
あまり受けがよくありません。聴衆は初めて聴いて、まあ良い曲なんだろうけど、よくわからんぞという顔をするのですね。
その中でも有名な曲であれば、まだ興味を持ってくれるのですが、
聴衆の表情を見れば、楽しそうかつまらないかは一目瞭然です。

そういうわけで、じゃあ映画音楽やポップスなどを弾いてみると
一般の方達は喜んでくれることが多いです。
一番眠たそうにされるのはバッハとかですね。
私はバッハは聴くのが大好きなんですけど、クラシックギターに興味のない人には魅力的には映らないようです。ちょっと悲しいです。

弾く側と聴く側で求めるものが違ってしまうと、その空間がしらけてしまう所があって、そういうのを感じてしまうと、自分の弾きたい曲よりも、
どうお客さんに喜んでもらえるかという事を優先するべきなんだろうなあと思います。特に、私のようなアマチュアだと、何とか聴いてもらうという感じなので
私もギターの魅力が十分に伝わるような演奏、曲目を選択する事になります。
聴いてもらったあとで、私もギターが弾きたいといってくれる方が現れると、凄く嬉しくなりますね。

Re: No title

ブチャラティさん、こんばんは。
この件は、中々根深いものがあって、簡単に結論付けられませんね。プロでもアマでも、演奏する側と聴く側では意識の差、指向の差がかなりあると思います。クラシックギターではその差が、他の音楽領域と比べると格段に大きいにように感じます。たとえば、何かのクラシックのコンサートで、ベートーヴェンやブラームスを演奏して、それを聴衆がつまらない、退屈だとは言いませんよね。だってそれを聴きに来るわけですから。ところがギターはその辺の事情がまったく異なるように感じます。結局、モダンギターとしtの歴史が浅い、そもそもギター音楽の領域は、といった議論になって収拾が付きません。
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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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