リヒテル&マタチッチのシューマン



きのうは夕方から夜半にかけて寒冷前線通過で関東地方は強風大荒れ。前線通過後は一気に気温が下がって、けさは真冬の寒さ。上越国境でブロックし切れない雪雲が当地平野部まで押し寄せ、小雪が舞うほどだった。さて、早いもので二月も下旬。きょうは居残り仕事少々こなし、9時少し前に帰宅した。ひと息ついてレコード棚を物色していたら、ジャケットのリヒテルの横顔に目が止まってしまった。


201702_Richter_Schumann.jpg  201702_Richter_Matatic.jpg


ロマン派ピアノ協奏曲の中でもお気に入りの一曲。シューマンのピアノ協奏曲イ短調。リヒテルのピアノとマタチッチ指揮モンテカルロ歌劇場管弦楽団による演奏。1974年の録音。手持ちの盤は70年代終わりに2枚組廉価盤で出たときのもの。リヒテルの独奏でロマン派を代表するピアノ協奏曲が3曲、グリーク、シューマン、そしてブラームスの2番が入っている。注目すべきはグリークとシューマンで、その理由はピアノの巨人リヒテル(1915-1997)の録音であることはもちろんだが、ブルックナー振りとして人気の高かったロブロ・フォン・マタチッチ(1899-1985)が当時の手兵モンテカルロ歌劇場管弦楽団を振っていることにある。N響に客演して自作の交響曲を振ったとき、うまく振れずに苦笑いしたマタチッチ。およそ合わせ物を起用にこなすというイメージはないのだが、よく考えてみれば、オペラハウスでのキャリアも長く、晩年の手刀を切るようなぶっきら棒な指揮ぶりだけで彼を推し量ってはいけないのだろう。

シューマンに針を下ろす。曲はマタチッチのペースのなのか、第1楽章から思いのほか速めのテンポでもたれずに進む。リヒテルのピアノはフォルテ指示のフレーズでは強靭なタッチを聴かせ、その次の瞬間にはぐっとテンポと音色に変化をつけてギアチェンジもうまく、この曲のロマン派らしい側面をうまく引き出している。マタチッチの指揮はやはり細かいところにこだわっている風はなく、オケパートのアンサンブルはほどほど、木管群のソロも格別耳を引き付けられるほどでもなく、万事中庸というところか。3つの楽章のうちでは第3楽章が中々興にのって楽しい。ピアノとオケの掛け合いがこの第3楽章の聴かせどころだが、ここへきてマタチッチの棒も冴えてきたのが、オケもドライブ感が出てくる。とりわけコーダに入ってからの流れるような運びはこの曲を聴く醍醐味だ。晩年はバッハやグリークでかなり内省的な演奏したリヒテルだが、この録音の70年代半ば頃、60歳になったばかりの彼はまだまだ血気盛んだった。


この盤の音源で第1楽章


同じく第2・3楽章。第3楽章は5分07秒から。



ヴィジュアルのみならず個性的かつエネルギッシュな演奏で評判のグルジア出身カティア・ブニアティシヴィリ(1987-)による演奏。バックはパーヴォ・ヤルヴィ指揮hr響(旧フランクフルト放響)。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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