メンデルスゾーン <イタリア>



三月最初の土曜日。昨夜は所用で遅くなったのだが、今朝はいつになく早く起床した。朝から快晴で放射冷却もあって冷え込んだが、窓からは陽光射し込み気持ちがいい。昼まで時間もあったので久々に<アサから音盤>。アンプの灯を入れ、明るい休日の朝にふさわしいこんな盤を取り出した。


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オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団による交響曲第4番イ長調<イタリア>。1960年録音。手持ちの盤は1995年<スコットランド>とのカップリングでリリースされた盤。一時期当時の東芝EMIが進めていたHS2088マスタリングによるもの。このHS2088マスタリングはあまり評判芳しくなく、その後ほどなく本国仕様ともいうべきART(Abbey_Road_Technology)マスタリングに取って代わられた。

第1楽章冒頭から落ち着いた開始。といっても鈍重なテンポというわけでもなく、この曲の録音の中では中庸だろうか。ぼくが最初にこの<イタリア>に接したクルト・マズア&ライプツィッヒゲヴァントハウス管による演奏よりずっと軽快な開始だ。各パートの響きはセル盤ほど明晰に分離しないが、それでもカラヤン&BPOよりはずっとクリア。弦楽群の対向配置により第2ヴァイオリンが右から、チェロ・コンバスがやや左側の手間から奥に定位する。特に第2ヴァイオリンの動きがよく分かり、こんな掛け合いをやっていたのかと随所で気付かされる。ぼくがこの曲の中で好きな第3楽章でもやや抑え気味の弦楽群の表情付け、木管群やホルンの秀逸な響きなど、簡素ながら優美で美しいこの楽章を堪能できる。

セル&クリーヴランドの鍛え上げられた鉄壁のアンサンブルは素晴らしいが、ロンドンの腕利きプレイヤーを集めて結成されたフィルハーモニア管のアンサンブルも負けてはいない。60年当時としては十分高レベルの録音と相まって、各パートの分離とマスの響きがほどよく調和し、全体的な音響バランスとしてはセル盤に勝るように感じる。 この曲の身上ともいえるフレッシュな溌剌さというイメージという側面ではセル&クリーヴランド盤に譲るが、このクレンペラー盤は、交響曲としての構成感という意味においてドイツの伝統を強く感じさせる重みと深さを備え、ややモノトーンな響きながら、ニュアンスに富んだ素晴らしい音楽的感興を与えてくれる。

ちなみにこの曲の第2楽章が19世紀イタリアのギタリスト兼作曲家ジョゼッペ・コスタ(Giuseppe Costa 1833-1897)によりギター独奏に編曲されている。ギター弾きにはお馴染みのナポレオン・コスト(仏1805– 1883)ではなくジョゼッペ・コスタ。楽譜はBoijeコレクションにあって、5つの小品と題された曲集の最初に収められている。この曲集はのちの1曲(ヴェルディ「椿姫」からのトランスクリプション)追加され6つの小品集となった。追加された曲の楽譜はこちら


この盤の音源。全楽章。


日本でもすっかりお馴染みになったパーヴォ・ヤルヴィの指揮するhr交響楽団(旧フランクフルト放響)による2012年の演奏。 第2楽章の11分50秒過ぎから、通常はヴァイオリン群の対旋律として扱われる木管群(フルート)を強調して効果を上げている。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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